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隠里の姫  作者: 柊 つばさ
帝国編
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9/36

ストック切れました

「両者向かい合って!!始め!!」



この合図を言った瞬間、2人は同時に動き出した。



まずは龍騎が火蓮に向けて拳を突き上げそれをかわした火蓮がカウンターしようとする。カウンターを受け止めた龍騎は足を振り上げ胴に当てようとするが火蓮がそれを片方の手で受け止め掴まれていた拳を引き龍騎のみぞおち目がけて膝を突き上げた。膝をよけて今まで以上の速さで火蓮の喉元に龍騎は手刀を突きつけた。



「止め!!」



私の掛け声で動きが止まった。




勝負は龍騎の圧勝だった。




決着はたった一秒程でついた。ここにいた騎士に動きは見えなかったことだろう。彼らの殆どの人からしてみれば立っていた両者が爆音と共にいきなり姿を消して再び姿を現したと思ったらもう決着がついていた。と、いったようなものだろう。とは考えてみたものの、見えているのはアレックスともう一人ぐらいなものだった。



もう一人というのは恐らく副隊長のブロード・バルハンといった人だったと思う。アレックスはどちらかというと明るく部下にも慕われている印象が強く髪は赤に近い金髪に赤目だ。それに対してブロードは栗毛で茶色の瞳をした比較的ホンワカした雰囲気の青年だった。アレックスが平民の出であるのに対してブロードは貴族の出であった。そんな彼がこの騎士団の副団長に居るというのはやはり優秀なのだろう。今の彼はまるで有り得ないものを見ているような感覚になっているだろう。アレックスが目を輝かせているのと、他の騎士達が何か起こったか分からないといったような反応を示している人達とも反応が違ったから容易に想像できた。




「素晴らしかったです!!このような戦いを再び見ることができて私はとても幸せです!!有難うございます!!」



龍騎と火蓮がこちらへ戻ってきたときアレックスが興奮して言ってきた。



私達にキラキラと輝かせた目を向けて興奮を抑えきれないアレックスを騎士達はギョッとしたように見ていた。



「えっと・・・。今のはどういう?」



「今のは毎朝やっているタダの組手ですよ。最もいつもはもう少し続くのですがね。兄と姉がさすがに人様のところで本気になってやるとこれぐらいの被害では済みませんからね。今日は大分手加減してましたけど最後で少し兄の方がさすがにこれ以上は地面が危ないと思ったのでしょうね。おかげで被害は最小限に抑えられました」



ブロードが気を取り直して私達に質問してきたことに対して答えると信じられないといったような目をこちらに向ける。



まあ、そう思うのは当たり前だろう。目の前にはコンクリートで塗装された地面が二つのくぼみを中心にボロボロになって地割れを起こしている。



「あれで少しの力しか使っていないだなんて君達の国の人はどれだけ凄いんだい!!」



「今回のは私が思っていたよりもあまり良くありませんでしたよ。姉さんの攻撃も単調でしたし、兄さんももう少し考えて動いてもらいたいです。考えなしではこれから苦労しますよ」



アレックスが興奮して凄い凄いと言っているのをを聞きながら兄と姉に今回の注意点を伝えた。




練習場が地割れしてしまったのでもうここまでだ。せめて表面のコンクリートだけでも戻そうと糸を使ってコンクリートの破片を本の位置に戻した。



「あれ?黒国の人って魔術使えたの?」



「いえ、これは魔術ではありません」



いきなりブロードが話しかけてきてビックリした。近ずいていたのは知ってたけどまさか話しかけてくるとは思わなかったから。それに今私は黒のフードを被っていて顔など見えないはずなのだが。一応当たり障りのないよう答えといた。



「さっきのは君のお兄さんとお姉さんなんだね。凄かったよ。アレック隊長があんなにいつも言う程ご執心な理由が分かったよ。有難う。やっぱ戦うところを見たからかな。ちょっと君のお兄さん達が少し怖いんだ。だから君になら伝へられるかなと思ってね。君にもあんな凄い力があるんだろ?」



「いえ、私の力は兄や姉程ではありませんよ。それに上には上がいるものです」



「君達ほどの実力を持っていてもまだまだなのか・・・。そっちの国も大変なんだな」



「それ程でもありませんよ。訓練を大変だなんて思ったことはありません。小さい頃からやっていることですからね。それにそれ程堅苦しい国ではありませんから」



ブロードはそういうものですか・・・。と呟きながら考えるようにしてこちらを見た。



「そういえば自己紹介がまだでした。私はブロード・バルハンです。以後意見知りおきを」



「私は風間 雪です。よろしくお願いしますブロード殿」



私は名乗ってフードを外した。そのあとよろしくと手を握り返そうとした時に彼の手が止まっていることに気がついた。



どうしたものかと思い彼の顔を見ると、顔を赤くしてブロードが固まっていた。



「あの・・・?どうかなさいましたかブロード殿?何か私の顔に付いていますか?」



私は寝癖でもついていたのかと思い慌てて髪を触ったが別にどうにもなっていなかった。



「雪!!もう朝食の時間だ!!準備するぞ!!」



いったいどうしたのだろうと思っていると龍騎がそう言って私を呼んでいたので私はブロードにではまたと、言ってその場を離れた。



彼が目を覚ましたかのようにハッ!!となって待ってください!!と言っていたような気がするがとにかく急ぐように言われたのでいそいで朝食の準備に取り掛かった。

ハーレム要員が増えました。

ブロードは出す予定では無かったのですけどね。

なんかハーレム設定なんだから良いんじゃね?って思っちゃって登場しました。

ちなみに名前はその場でいつも決めてるから似通ったのが多いです。

彼にはこれから頑張ってもらいましょう。

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