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「・・・、お前は変わっているな人の子よ」
・・・ん?何がですか?
「我を見るものは皆恐れをなして逃げ出すか、己が殺されまいと向かってくるものばかりであった。それをお前は正面から交渉して契約しようと抜かすではないか・・・」
あれ・・・?なんかヤバイかい?謝ったほうが良いのかな~?何か触れちゃいけないところに触れたっぽいし・・・。何か言われる前に謝っとこ!
「あの、申し訳ありません。何かお気に召さな・・・」
「何故謝っているのだ?お前は何も我の気には触れておらん」
「さっ作用ですか・・・」
やばい・・・。何かいろいろ気を遣わなきゃいけないからかすごく居ずらい。ってか面倒くさい!!
「むしろ、少し嬉しかったのだ・・・」
!?何を言っているのだろう目の前のドラゴンは。何処に嬉しくなる要素があったのだろう?
「先程も言ったとおりなのだが私を見た神獣以外の生物には逃げるか戦いを挑んでくるものばかりだった。そんな中でも逃げるものの方が圧倒的に多かったから戦いを挑まれるのはまだ良いのだ」
・・・。何か勝手に語りだしたよ!!こんな人向こうの世界でも見たことあるよ!!ってか相当寂しかったんだね。どんだけ話聞いて欲しかったんだよ!!って突っ込みたい!!でも我慢我慢・・・。
「神獣の中でも我は紅蓮の炎を司るドラゴンだ。だからこそ恐れを抱くものが多いのかもしれんな。その証拠に聖域の亀は人間共などにとても慕われているからな」
っあ、言い忘れてたけど神獣にはそれぞれに属性があるんだ。日本での神様の考え方と似てるよ。~の炎は誰誰の炎とか、~の水は誰誰の水まあそれぞれに呼び方があるんだよ。ちなみに紅蓮の炎を持っているこのドラゴンは紅蓮とか、紅蓮のドラゴンってよばれているし、聖域の亀っていうのは水属性の神様だね。とにかく大きい亀で背中が島なんだって。そこに湧き出ている水は聖水って言われているんだ。一番有名な神獣で、人間には一番慕われているんだよ。
「だから、神獣ではない、しかも人間が話しかけてくるとは思わなくてな。初めて人間と喋るから嬉しいのだ。それに私に交渉しようなどど考える酔狂な奴がいるとは思わなかったしな。お前は面白いな」
そうでしょうか・・・?私は別に自分が面白いだなんて思ったことはないのだけれど・・・。それにしゃべると言っても一方的に話聞いているだけですからね。たまに相槌とかしなきゃいけないかな?って思って相槌はしてたけどそれだけだからね。・・・、ちょっと寂しすぎて頭おかしくなったんじゃない?心配になってきた・・・。
「私は面白いのでしょうか?あまりそのようには思いませんし、人から言われてこともないのでわかりかねますが・・・」
「お前は面白いぞ!!それとも人間は皆お前の様に面白いものばかりなのか?」
「いえ、恐らく私は面白くない方でしょうから、他の人の方が面白い方が多いと思われます」
「そうか・・・。お前以上に面白い奴ばかりなのか・・・」
そう言うと何やら目の前のドラゴンは考えるように唸ってやがて「よし!わかった」と言ってこちらをむいてきた。
「お前の言う契約に乗ってもいいぞ」
「っえ!?本当ですか!?」
「あぁ、ただし!!ひとつ条件がある!!」
ッゴクリ
私は自然とつばを飲み込んでいた。
一体どのような条件だ?大体の事ならば大丈夫だがあまり無理なことを頼まれると面倒だな・・・。まあ、それでも何とかするしかないのだろうが・・・。さて、どんな条件だ!
「・・・我、いや俺を人間のいる所に連れて行って案内してくれないか?」