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隠里の姫  作者: 柊 つばさ
帝国編
13/36

9

朝、私達は組手をしようと騎士団が使っている練習場を借りようとアレックスに許可をもらいに行ったところ、まだ完全に修理が終わっていないらしくそのことを聞いた兄が「だったら今日は基本トレーニングをしようか」と言い出して。しかもアレックスが参加してみたいなどと言い、騎士団の人たちと一緒にやることになった。


いくら騎士団の人でも出来るだろうからと言っても私達が小さい頃に叩き込まれた練習なのだから常人にはとても耐えられないと思うのだけれど・・・。


「ではまず。ストレッチから始めましょうか。怪我をしてはいけませんからね」


私の考えなんて無視して龍騎がストレッチを始めるのだが騎士団の人はおお~!!っと言って龍騎のストレッチの様子を眺めていた。


まあ、そうですよね。龍騎と火蓮はまだ全然凄いことはしてないのだがと首をひねっていたけど体をあんなにグニョグニョ曲げて形が人間みたいじゃないんだもの。中国雑技団とかで膝と頭がくっついて気持ち悪い感じになってる時ってあるでしょ?そんな状態なんだよ。今の龍騎は。


「皆さん普通のストレッチで構いませんので。今回は皆さんも参加されるとの事なので難しいことはやりませんから」


私がそうやって声を掛けるとそうですかと言って普通のストレッチを始めた。



***



「では次に体を温めるためにここを・・・そうですね。騎士団の皆さんは100周、私達は1000周しましょうか。軽く走って体を温めることを考えてください。きつくなってきたらあまり無理はせずに中の方で休んでいてください」



何時の間にやら私が仕切っていた。


兄は真面目だが私達と彼等のスペックの違いの差を甘く見すぎている。だから彼等にはあまりにも厳しすぎる。


そんな理由から私が兄を説得し、取り仕切ることにした。



「それではスタートです!!」



走り終わって騎士団の人の様子を見てみると、思っていたより騎士団の人たちは100周をくたびれながらも走りきっている人が多かった。


まあ、聞いたところによると団長が罰でよく走らせたりするのだそうだ。その団長は走り終わっても生き生きとしていた。


でも、私達が走り終わるまでに終わっていなかったのでマダマダだ。900周分も間があったのに。



「それでは先程は足を使ったので今度は腕を使いましょうか。体をうつ伏せに伏せてそのまま腕を使って前に進んでください。これを先程と同じ回数ここを回ってください」



「今日は本当に軽い運動だけなんだな。動き足りん気がするのだが」


「うん、そうだよ!!走るのだってもうちょっとバー!!って走りたかったのにさ」


「今日は最低限の事をするつもりですので。でしたら兄上と姉上は彼等が回りきるまでずっとやていてください。終わったら呼びますので」


龍騎たちはそうするよと言ってもうスタートしてしまった。


では、私達も行きましょうと言ってスタートし、直ぐに終わってしまった。


騎士団の人たちを見てみると今までやったことがないからかとても苦戦していた。


団長さんはすぐに慣れていたが・・・。副団長も苦戦していたが団長の次に速かった。


終わった頃には騎士団の皆さんはクタクタになっていてとても続けられるような状態じゃなかったのでこれでやめになった。



***



お開きになったところで副団長のブロードが雪に近ずいて来た。


「凄いね。雪ちゃんだったっけ?昨日話したときはこんなにスパルタだとは思わなかったよ」


「いえ、今日は皆さんが参加されてましたので基礎の基礎の中でも比較的簡単なモノを選んだつもりです」


「本当?だとしたら君達は団長の言うとおり、凄く強いんだろうね。でも、勿体ないな~」


「?何がですか?」


「だって、雪ちゃん凄く可愛いのにお洒落してないだなんて勿体ないよ。もっとお洒落したいとか思わないの?」


・・・かっ可愛い!?可愛いって言った!?家族以外の男の人にそんな事言われたの初めてだよ!!ビックリするじゃないか!!冷静になれ、冷静になれ。からかっているだけかもしれん!!平常心平常心。


「可愛くないです。それにお洒落にはあまり興味がないので別に問題ないかと」


「そんなことないよ!!君は可愛い!!これは自信を持っても良いことだ!!」


「そうよ!!雪!!貴方は可愛いのだからもっとお洒落しなさい!!そして私に服を選ばせなさい!!」


「そうだぞ雪!!もっと自分に自信を持ちなさい!!」


ブロードと話している時に火蓮と龍騎が何時のなにやら参戦してきた。


「ッチ」


なにやら舌打ちが聞こえたような気がしたのだが・・・。


なんでもなように皆喋っていたので、気のせいかと思い話を続けた。



***



なにやら変な状況から抜け出した私達は彼等に別れの挨拶をしてその場から立ち去った。



そして玄関ホールに着き、その場に既に居た王様たちの方に向いた。

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