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SSR看護師天使、地上に放置された結果——世界最強の闇落ちアイドルができました  作者: ふりっぷ
第二章 マクタン島 カジノ神殿ラピス・レクイエム編

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テレノアの奇跡と世界の祈り ~砂時計のひび、光の矢へ~

世界を包んだ歌声は、やがて祈りとなり、

意思となって天へ届く。

星空の彼方で始まる、テレノアと世界の選択を見届けてください。

看護師天使たちの歌声が、

まだ地上に残響している、星空のさらに上。


──ステージから圧倒的な神力を得たテレノアは、

塵の海を突破し

砂時計の前に立っていた。


後を追った無数のドローンが航行限界高度に到達し

超望遠での映像を送り始める。


「……お前は、何も悪くない。

ただ、歩むべき道を、少し違えただけだ」


静かに語りかけた言葉は、誰に向けた言葉だったのか。


──彼は背後に控えていたリズへと、ゆっくりと振り返る。


「砂時計が壊れれば、お主の神格位も剥奪される。

ただの精霊に戻ることになるぞ」


「これ以上、迷惑かけらんねーよ」


リズは腕を組んでそっぽを向いたが、

その声にはかすかに震えがあった。


金色の髪が微かに揺れ、結界の光に影を落とす。


「お前が、世界を崩壊させるために

この姿になったのではないこと……私は知っている」


テレノアの拳に力がこもり、

空間に幾重もの結界が浮かび上がる。


結界が層をなし、光の膜のように砂時計を包み、

軋む音が天界に響く。


その気配を察知し、ユキが慌てて演算処理に加わった。

ユキの指が虚空を叩き、数字の渦が彼女の周りを回る。


テレノアは巨大な砂時計を中核とした因果機構に干渉し、

天界の時を再構築しようとしていた。


だが、ガウを持ってしても

成層圏に追放することしか出来なかった聖遺物だ。


再び信仰を得て振るわれた絶大な神力も

――因果律を守るための重力が強すぎて、

時間の海に沈みかけていた。


砂の粒がテレノアの翼を削り、

指先が時の流れの中で崩れ落ちる。


周囲には、幾億の「起きなかった可能性」の砂が降り積もっていく。


テレノアはかつて自分が父を助けられず、

次元幽閉された過去を思い出す。


「……あの時は間に合わなかった、が」

彼は呟き、目を閉じかける。


──そのとき、砂の流れが一瞬、止まった。

結界が一瞬、ひび割れ、光の隙間から祈りの波が漏れ出す。


地上・マクタン島の神殿ステージ(ライブ配信終了後)

翔がPC前で呆然とする中、スタッフが駆け寄って叫ぶ。


「配信アーカイブが、爆発してます!

世界のネットワークが、再共有状態に!」


「えっ、終わってるはずじゃ──」

翔の画面に光の通知がフラッシュし、

キーボードが熱を持って震える。


翔の目に飛び込むのは、祈りの再起動の通知。


世界各地の端末に御使いガールズのアーカイブが

自動的にリプレイされていく。


SNSでは「#もう一度祈って」

「#世界を救って」

などのタグがトレンドを席巻。


翔の画面が光に満ち、涙がキーボードに落ちる。


砂の奔流に沈みかけていたテレノアの背後で、何かが点滅する。


「これは……祈り? 

いや……意思だ。世界が、応えてきてる……!」


見上げると、天空から無数の光の矢が降り注ぐ。


「ミリアムか…」

矢が砂を貫き、結界を切り裂くように降り積もり、

テレノアの翼を再構築する。


それは、かつて看護師天使が守った天界からの返答。


光の粒が集い、彼の身体を再構成していく。


「……終わらせない。今度は、私が信じる番だ」

光が拳に集中し、砂時計の表面にひびが入り始める。


視聴コメント抜粋(演出字幕)

【リアルタイム視聴:1億9800万人】

: 「アーカイブ見ながら泣いてる……なんで今、再生されたんだろう?」

: 「え、これって今…祈れば、何か起きる?」

: 「うちの祖母が画面の前で手を合わせてる…泣けてきた」

: 「これ、ガチで奇跡起きてない?鳥肌止まらん」


限界突破

テレノアの拳が空間を貫くたびに、

世界を分かつ結界が幾重にも現れ、軋んだ。


そこには、セーレの魔核と融合したことで変質した

時間封鎖フィールドが立ちはだかっていた。


フィールドが脈動し、時間の渦がテレノアの拳を押し返し、

ユキの演算画面がエラーを連発する。


「ぐぉぉぉ……思ったより、固いな……!」


ユキが異常値を演算しながら叫ぶ。


「計算が追いつかない

……結界そのものが、意思を持ち始めてる……!?」


「セーレの魔核か……すまねぇ。俺は砕けなかった…」


リズが苦く笑う。テレノアの額に汗が滲み、

空間は悲鳴のように軋む。


砂の粒子が拳に絡みつき、黒い影がテレノアの巨体を蝕むが、

今度は地上からの光の矢がそれを貫いた。

ついに砂時計へと届いた、世界の祈り。

この奇跡が導く先は、救済か、分岐か。

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