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SSR看護師天使、地上に放置された結果——世界最強の闇落ちアイドルができました  作者: ふりっぷ
第二章 マクタン島 カジノ神殿ラピス・レクイエム編

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26/29

御使いガールズ降臨ライブ ~神殿の扉から、祈りの光輪へ~

祈りが形になる、その一夜を、

どうか最後まで見届けてください。

ラピス・レクイエム特設ステージ──


観客席は、すでに満員だった。


集まっているのは、人だけではない。


祈り、期待、渇望――

あらゆる感情が、ここに集束していた。


天井ドームに浮かぶ光輪が、

生き物のように、静かに脈を打つ。


まるで、巨大な心臓の鼓動のように。


――来る。


理由もなく、誰もがそう理解した。


神殿の扉が、音もなく開く。


\\――ズウウゥゥン……//


扉の隙間から光の波が溢れ、

観客の瞳を刺し、息をのむ静寂を呼ぶ。


聖堂全体が、わずかに揺れ、

光の中から“それ”は降臨した。


逆光の中で、翼が開く。


白金の羽根が、一枚、また一枚と、

世界そのものを裂いていく。


降り立ったのは、紗耶香だった。


歌う前に、彼女は一瞬だけ目を閉じる。


それは、祈りであり、覚悟でもあった。


――ここまで来たら、やり切る。


圧のような静寂が、ホールを満たし、


観客が、世界が、息をのんだ。


そして、曲名が告げられる。


「《Hallo Calling(ヘロー・コーリング)》」


紗耶香が、歌い出した。


その背後に、夏樹、志津香、恵の影が重なる。


それぞれの背に揺れるのは、

祈りが形を取った、聖光の翼。


――光がなくても、私は名を呼ぶ。


それは音ではなかった。


直接、心を包み込むような震えが起きる。


誰かの喉が、ひくりと鳴った。


【リアルタイム配信:世界の声】

Live Chat @Global(同時接続:1208万)


Pedro_Brazil:

「Isso é um milagre! As asas são reais!!」

(これ奇跡だ!翼本物!!)


angel_hime_01:

「紗耶香サマー!!私の守護天使になって!!」


ClairLuneクレール・リュヌ:

「Je pleure. Elles sont trop pures…」

(泣いてしまう…彼女たちは何て純粋なんだ…)


K-popFan_SEOUL:

「이건… 진짜 천사잖아… 」

 (これ本物の天使…)


【システム・コメント】

 御使いガールズ Live Performance:

#ラピスレクイエムより天使降臨 モード開始


【抽出された祈りの共鳴値:132%突破

──祝福演出フェーズへ移行】


光輪が脈動し、

波形がステージに投影され、


観客の祈りが、可視化されて揺らぐ。


彼女の声は、天井ドームに反射し、

祈りではなく「存在」として降り注ぐ。


――世界が答えなくてもいい、

――私はここにいるから


なぜ涙が出るのか、

誰にも説明はできなかった。


彼女の声が、ドーム全体に反射し、

心に直接、語りかける感覚をもたらす。


同時に、地上200箇所以上の

祈願モニターが同期する。


ラピス・レクイエムに祈りを送る観客たちの

祈りの波形が集約され、


背後の光輪に、

リアルタイムで映し出されていく。


波形は眩い音符に変って翼に絡む、

聖光が、後から追いつくように輝きを増す。


サビに入る。


届いたら、栄光

戻れない象徴――


巻き込まれていた、

壊れそうで、危うい衝動を――


この胸の鼓動ごと、

あなたに響かせる


「「「「Hallo Calling(ヘロー・コーリンッ)!!」」」」


四人は立ち位置を反転させ、

観客席に大きく手を振った。


「みんな、今日を忘れないで!!」


全員の鼓動が、

同じリズムで重なった。


ラストの曲の終盤、

天使たちが円陣を組むようにポーズを取る。


夏樹が、一歩前に出る。

「――祈りは、独りじゃ飛べない」

全員の汗が弾けた。


背後の神殿壁が開き、


天の星空が、広がっていく。


壁の隙間から星々が零れ落ち、

ステージを、銀河のように照らす。


翔が、遠隔プロンプター越しにつぶやいた。


「……オリジナル音源と歌詞が違う。

 彼女たちのこれまでを歌ってたのか……」


プロンプターの光が、翔の瞳に映り、

チャットの波が、画面を埋め尽くす。


観客が、一斉に立ち上がる。


指示があったわけではない。


ただ、手を合わせ、ステージから目を離さない。


「ブラヴォォー!!」

静まった観客席に翔が絶叫する。


我に返った観客席から割れんばかりの歓声が上がった。


この夜は、ライブではない。


御使いたちによる、

世界を覆った祈りの記録。


光輪が、最後に一閃し、

祝福がホール全体に降り注ぐ。


──次なる奇跡の、序曲として。

選ばれなくても、届かなくても、

この地に残り続けた彼女たちの記録です。

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