骨の騎士の誇り
ロアとの最終決戦のさなか、凄まじい鬼の気配が三人を襲った。
「……ロアの魔力とは違う……! これは……!」
シャクが驚愕する。
その気配の主は、巨大な鬼の姿をしていた。全身を筋肉質の赤い体毛で覆われ、二本の角が生え、その手には、巨大な金棒が握られている。その鬼こそ、ロアが用意していた、東の都に住む鬼の親玉だった。
「キサマらが、ロア様の邪魔をする者か……。叩き潰してくれるわ!」
鬼の親玉は、金棒を振り上げ、アレスに襲い掛かる。
「アレス、危ない!」
シャクが叫ぶが、アレスは、鬼の攻撃を、骨だけの体で受け止める。
「俺が、ここで食い止める! シャク、カーミラ! 先へ行け!」
アレスは、鬼の親玉の攻撃に耐えながら、シャクとカーミラに、先へ行くよう促す。
「アレス……! ありがとう!」
シャクは、宝玉を手に、カーミラと共に、ロアのもとへ向かう。
アレスは、鬼の親玉と向き合う。
「ホーク……。俺は、今、ここで、俺は、俺自身の誇りをかけて戦う!」
アレスの言葉に、鬼の親玉は、嘲笑する。
「ホークなど知らん! 貴様、骨だけの亡霊が、この俺に勝てると思っておるのか!」
鬼の親玉は、再び金棒を振り上げる。
アレスは、鬼の攻撃を、剣で受け止める。鬼の親玉の力は、ホークを凌駕するほどに強大だった。アレスは、鬼の攻撃に耐えながら、隙を探す。
「くそっ……! 硬い!」
アレスの剣は、鬼の親玉の体に、傷一つつけられない。
その時、アレスは、ホークとの戦いを思い出す。ホークの未練を晴らし、成仏させた時のことを。
「そうだ……! 俺は、ホークの意志を継ぐ!」
アレスは、鬼の親玉の攻撃をかわしながら、鬼の親玉の心に語りかける。
「お前は、ロアに利用されているだけだ! お前は、ロアの道具じゃない!」
アレスの言葉に、鬼の親玉は、一瞬、動きを止める。
「な、なにを……!」
アレスは、その隙を見逃さず、鬼の親玉の心臓に、剣を突き刺す。
「ぐっ……!?」
鬼の親玉は、アレスの攻撃に、驚愕する。
「……俺は……、ロアの……」
鬼の親玉は、そう呟くと、アレスの剣を抜き、アレスの体に、金棒を突き刺す。
「アレス……!」
シャクが、ロアとの戦いの最中、アレスの危機に気づき、叫ぶ。
しかし、アレスは、鬼の親玉の攻撃を受けながらも、鬼の親玉に、最後の力を振り絞り、剣を突き刺す。
「……俺は……、臆病者じゃない……!」
アレスは、そう呟くと、鬼の親玉と共に、光の粒となって、空へと昇っていった。
「アレス……!」
シャクは、アレスの死に、悲しみに打ち砕かれる。
ロアは、アレスの死に、不気味な笑みを浮かべる。
「フン、骨だけの亡霊が、この私に敵うとでも?」
シャクは、アレスの死に怒り、鬼神の力を使って、全力を発揮する。
「ロア……! 貴様は、許さん!」
シャクは、アレスの死を悲しむ。
「俺が……、もっと強ければ……」
そして、シャクは、自らの力不足を呪う。
その時、朗印が、シャクに語りかける。
「シャク殿。悲しみにくれるでない。己の責務を果たされよ!」




