悟りの試練、そして須弥山へ
勇気の試練を乗り越えたシャク、アレス、カーミラの三人は、険しい山道をさらに進み、ようやく須弥山の頂上へとたどり着いた。頂上には、仏教の守護神である毘沙門天が住むという、荘厳な宮殿が建っている。
宮殿の中に入ると、そこは光に満ちた神秘的な空間だった。三人は、その厳かな雰囲気に、自然と恭しく頭を垂れる。玉座には、威厳に満ちた姿の毘沙門天が座し、その横には、優雅に微笑む吉祥天が立っていた。
「ようこそ、須弥山へ。そなたたちは、試練を乗り越え、この地にたどり着いた」
毘沙門天が、重厚な声で語りかける。
毘沙門天は、三人にそう話しかけた後、最後の試練である三つ目の悟りの試練を課す。
「そなたたちには、それぞれ、心に抱える闇がある。その闇と向き合い、悟りを開くのだ」
シャクは、己の出生の秘密と向き合う。鬼子母神の息子として生まれた自分は、いったい何者なのか。なぜ、こんなにも強い力を持ち、旅を続けているのか。
シャクは、瞑想を始め、己の心と向き合う。すると、シャクの心の中に、鬼子母神の姿が現れた。
「シャク……。お前は、鬼神の力を持つ、私の子。しかし、その力は、慈悲の心で使うもの。お前は、その力を、民のために使うのだ」
鬼子母神の言葉に、シャクは悟りを開く。自分は、鬼神の力を持つ者として、人々を救うために生きるのだと。
アレスは、骨だけの体になったことの意味を知る。生前、騎士として生きてきた自分は、死後、骨だけの亡霊となってしまった。しかし、それは、肉体という殻を捨て、魂だけで生きることを意味していた。
「……俺は、肉体を捨て、魂だけで、真の騎士となったんだ……」
アレスは、そう呟くと、骨だけの体から、温かい光を放ち始める。
カーミラは、吸血鬼として生きる道と、愛する仲間との絆を悟る。吸血鬼として、血を求める本能を持つ自分は、シャクとアレスと一緒に旅をすることはできないのではないか。しかし、カーミラは、シャクとアレスとの絆を思い出す。
「私には、シャクとアレスがいる。この絆があれば、どんな困難も乗り越えられる……!」
カーミラは、そう確信すると、吸血鬼としての本能と、人間としての感情を、一つに統合させる。
三人が悟りを開くと、毘沙門天は満足そうに微笑む。
「そなたたち、見事だ」
吉祥天は、優しくシャクに語りかける。
「私は、シャクを、ずっと見守っておりました。そして、カーミラの、悲しみも……」
吉祥天は、カーミラに目を向ける。
「カーミラ。ロアの呪縛を解くには、ロアの持つ、呪いの短剣を破壊するしかない。しかし、その呪いは、ロアの魂と、深く結びついております。故に、ロアを倒せば、あなたの寿命も、終わってしまうでしょう……」
吉祥天の言葉に、カーミラは絶望する。
「しかし、安心しなさい」
毘沙門天が、重厚な声で、カーミラに語りかける。
「ロアを倒しても、カーミラの寿命を終わらせない方法が、一つだけ、ある」
毘沙門天の言葉に、三人は希望を見出す。
毘沙門天は、ロアの呪縛を解く方法を、カーミラに教える。
「ロアの魂は、カーミラの魂と、呪いの短剣で繋がっておる。故に、ロアを倒す際、 短剣を破壊するだけでは、カーミラの寿命も、終わってしまう」
毘沙門天は、続ける。
「しかし、ロアを倒す直前、シャクが、カーミラの魂に、聖なる光を宿した宝玉を、打ち込むのです。そうすれば、カーミラの魂は、ロアの魂と切り離され、ロアを倒しても、カーミラの寿命は、終わらない」
毘沙門天の言葉に、シャクは、光を宿した宝玉を、強く握りしめる。
「ありがとう、毘沙門天様、姉さん」
シャクが、毘沙門天と吉祥天に感謝を告げる。
「さあ、行きなさい。そして、ロアを討ち果たし、カーミラを救い、この世に平和を取り戻すのだ」
毘沙門天の言葉に、三人は頷く。
三人は、須弥山を後にし、ロアとの最終決戦に備える。ロアの呪縛を解き放ち、カーミラを救うために。




