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無理なお願い

ガイドさんの大胆な行動に戸惑うばかり。

とりあえず落ち着かせて話を聞く。

「ごめんなさい。私ったらつい怖くてあなたを求めてしまいました」

どう言うことだ? これはやはり何らかの作戦なのか?

それとも純粋に求められているのか?

分からない。どっちだ? 彼女の気持ちが分からない。

確かに彼女は可愛らしく私のタイプでもあるがそれはプライベートの話。

今は仕事中。それくらいの分別はつく。


「本当に大丈夫ですか? 落ち着きましたか? 」

怖がる彼女を抱きしめる。

「はい」

急に離れると恥ずかしそうに下を向く。まだまだ子供なのかもしれない。

「では服を脱いでください」

「はい? 」

動揺を隠せないガイドさん。

「いや冗談。ちょっと手を見せてもらえませんか」

特に小駒さんから指摘のあった人差し指を観察する。

「それは? 」

「ああ、これですか? 」

右指に絆創膏が巻いてある。

「包丁で手を切りまして」

「いつ頃ですか? 」

「えっと…… ここに来てからですから確か三日前だったと思います」

大勢の食事に料理人の田中さん一人では対応しきれずに彼女もお手伝い。

その時に誤って切ってしまったのだとか。


「大丈夫ですか? 」

「はい。不器用ですからつい」

「分かりました。では念の為に身体検査を」

物騒なものがないか全身を隈なくまさぐる。

「あのこれ意味あるんですか? 」

「はい。ありがとうございました」

困惑するガイドさん。


「それであなたは本当に詐欺や殺人との関わりはありませんね? 」

もう一度確認。

「まだ私を疑ってるんですか? もう知らない! 」

怒らせてしまったようだ。


「ちょっと待って。最後に一つだけ。遺体発見時に人の気配はありましたか? 」

「さあそこまでは気が回らなかったので。いなかったと思いますよ。

でも変なんですよね。いつも扉が開くようなギーと言う音がするんです」

興味深い話。彼女の聞いた音の正体はたぶんあの音だろうな。

と言うことは真犯人は綱渡りのトリックを続けたことになる。


「それはいつ? 」

「えっと…… 第二、第三、第四の現場がそうだったかと。

私、耳が良いんです」

「でも見なかった? 」

「はい、さすがに人が居れば気付くとは思いますが」

彼女の証言により事件解決にまた一歩前進。


「あなたは誰が犯人だと思いますか? 直感で構いませんので」

「お客様を疑う訳にも行きません。先輩だって同様。強いて言えばあの男の人」

結局相棒が候補に挙がる。

気持ちよさそうにイビキを掻いてるであろう相棒。

可哀想にあの風貌だから誤解を受けやすい。

まあこれも仕方ないことか。


「では最後に服を脱いでください」

バチン。

しつこく迫ったのでビンタを喰らう。

「いや違うんです。検証したくてつい」

焦り過ぎた。本当はもう少し丁寧にお願いするつもりだったのに。

あまりにも彼女が従順で可愛らしいからつい。

これも事件解決には欠かせないんだけどな。

「はい? 何を言ってるんですかまったくもう。ふざけないでください! 」

「だから再現がしたくて。第二の事件で被害者が全裸体で亡くなられましたよね。

その再現をしたくて。ご協力を」

バチン

ドッゴン

往復ビンタの上に肘まで。拒絶されてしまった。

何がいけなかったのだろう?

全裸体に意味があると思い協力を仰いだのだが撃沈してしまった。

うーん。これも探偵の性。どうしようもない。

「田中さんを呼んできてくれませんか」


続いて料理人を尋問する。

田中さんも容疑者からは外れている。

とは言え黒木に対する個人的な恨みがある以上放置はできない。

取り敢えず説得する。

「服を脱いでくれませんか? 」

仕方がないので訳を話して協力を仰ぐ。これで文句ないだろう。

だがそれでもやはり往復ビンタで返される。


「いや違うんです。ただあなたのすべてが知りたい」

どうも思っていることと逆の言動になるらしい。天邪鬼でいけない。

「手を見せてくれませんか」

「まったく何なのよもう! 」

嫌がりつつも両手を開く。

「あのこれは? 」

「はいアカギレが酷くて。いくらクリームを塗ってもこうなるんです」

うんうん苦労してるんだな。


「怪しい人? それなら山田さん。事件現場になぜかいつも最後に来るんです。

怪しいでしょう? 」

正直でいい。これでなくてはいけない。

最後に再現実験をお願いするが断られる。

うーん。どうしようもないな。

仕方ない。お婆さんにでも協力してもらうか。


                 続く

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