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事件解決? 雲の向こう側だけど

その頃。

お隣の薄曇り山では天気が回復し、ようやく警察が到着。

ずいぶん遅い到着だったこともあり事件はすでに解決済み。

「ご主人が殺されたそうですが…… 」

「ご苦労様です。本当に情けない」

奥様に連れられて二男と三男が姿を見せる。

入れ替わるように警察官が現場へ。

すぐに現場検証を始める。


「遺体はそちらですか? 」

「はい旦那様はここに。奥様により後のことは一任されております」

執事が畏まる。

「動かしてなどいませんよね? 」

「はいもちろん。誰も近づけておりません」

「分かりました。ああ大体でいいので事件の概要を話してください」

執事は旦那様が殺されたこと。二男と三男による共謀だったことを伝える。

「それで動機はやっぱり相続関係? 」

「はい。旦那様がお二方に相続させない旨を明言しトラブルとなりました」


「それでこちらの方は? 」

できるだけ大人しくしていたがやはり気になるらしい。

刑事の鋭い目に冷や汗が止まらない。

「はい。長女の代理で出席してもらった探偵の方です」

「うん何だお前? 部外者かよ」

睨みつける刑事。人相の悪い男だ。心臓に悪いよ。

「誰だ? 誰だと聞いてるんだ? 」

横柄な態度で威嚇する。


「申し遅れました。探偵の…… 」

「ああん? だから探偵が何の用だってんだ? 」

「代理で出席したんです。何か起きるのではと相談を受けまして仕方なく」

依頼を果たしたことになるのだろうか? 結局依頼人の願いは叶わなかったしな。

「探偵は邪魔なんだよ! 目障りだから消えろ! 」

いくらイライラしてるからってストレス発散で僕に当たらないで欲しい。

関係者の上代理で来ているのだからそうもいかないってば。

「いえ…… 正確には探偵ではありません。助手です。探偵の助手をしてます」

正直に答える。

「どっちだっていい! これ以上俺の前に姿を見せるな! 」

ああ本当に困った人だ。一般市民に声を荒げるなんて。これではただの恫喝。

本当に大人げないんだから。一体探偵に何の恨みがあるって言うんだ?

理由もなく邪魔者扱いされては堪らない。不愉快なので帰ることにした。


もちろん嫌がらせで残ってもいいが先生がなるべく揉めごとを起こすなと言うし。

それに警察との関係を拗らせては後々に響く。

ここは退くのが探偵の助手としての役割。

「それではこれで。皆さんによろしく」

執事に挨拶し迎えの車へ。

これで任務完了。


あーあ。やっぱり来なかったよ先生たち。これで何回目?

二人もいてどうして辿り着けないのかな。不思議でたまらない。

これでは僕にばかり負担が掛ることになる。

報酬もたぶん払われないんだろうな。

まさかもう事件が解決するんだもんな。簡単だ。簡単すぎる。

もう少し捻ってくれなくちゃ面白くも何ともない。

先生が来るまでどうにか引き延ばしたかった。

でも警察が来てはもうそんなこと言ってられない。撤退するしかない。


それにしてもいつになったら来れるんだろう。先生たち。

僕が助手になってからほとんど僕の力で解決してる。

愚痴を言うつもりはないけど僕を先行させて自分たちはゆっくりのんびり。

それでいて美味しいところを持って行こうとするんだもんな。困っちゃうよ。

それも今回みたいに間に合わずに依頼人を呆れさせるし。

やっぱり依頼料はもらえないだろうな。それも仕方がないこと。

先生がもう少し早く来てくれればな。まあ無理だろうけど。

いつも何かしらミスをしたり迷ったりして辿り着けないパターン。

待ってるこっちの身にもなってよね。


近くまでやって来てるのは何となく分かる。でも今どこにいるかは不明。

今回もきっと迷ってるんだろな。迷子願いでも出すかな。

でも前回やったら凄い剣幕だったからな。あーあやってられない。

正直二人を当てにはしてない。でも立場を弁えてくれなくちゃ。


車が下り始めた。

ようやく薄曇り山から脱出できる。

何日振りだろうか?

先生一体どこにいるんですか? 先生!

依頼人も呆れてましたよ。まったく困った先生たちだ。

やはりこの薄雲の向こうに先生たちがいるんだろうか?

お願いだから約束の場所まで辿り着いてよね。


                 続く

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