転生者は貴女だけではなくてよ?
「アウラシア皇后陛下、何故私の気持ちを理解して頂けないのですか?」
「理解?人を快楽で殺す殺人鬼の気持ちなんて到底理解不能だわ」
公爵令嬢ミカエラの言葉をアウラシアは一蹴りする。
「私は日本と言う国で死んだ記憶を持っています。転生者であり生まれながらのチートスキルを持ち、公爵令嬢として産まれた私は全てが許されているのですわ。
日本でもこの世界でも、私は人を殺すことが楽しくて仕方ありません。皇后陛下には愉しさが分からないのですね」
笑みを浮かべミカエラは両手を広げ、まるで舞台で演説するかのように語った。
「日本でもこの世界でも貴女は犯罪者なのね?だけど、貴女は間違っている。いえ、勘違いしているわ」
無表情でアウラシアはミカエラに近寄る。
「何を?」
ミカエラは訳が分からなくなり困惑する。
「日本でも殺人が現実であったように、この世界でも貴女が犯した殺人は現実なの。ゲーム見たいにリセットして元通りになる訳なんて無いし、人一人の人生や命を奪った貴女には命を持ってして罪を償って貰うわ」
冷たい表情でアウラシアはミカエラに言い捨てる。
「な……まさか……」
気付いたミカエラは目を丸くしてあからさまに動揺してしまう。
「転生者は貴女だけではなくてよ?」
笑ってアウラシアは言うと、ミカエラに剣を突き付けた。