カッコいいおじいちゃんを書きたいです
どうも、はじめまして。
タイトルの通り、カッコいいおじいちゃんが書きたいです。
この場面が思いついただけなんで、気が向いたら続きかくかもです
「ふむ、今晩はいい月夜ですね」
建付けの悪い扉を開けると、自分のものではない、老人と判断できる声がする。
古びた教会のステンドグラスに月明かりが差し込む。その光の中に、神父服に身を包んだ翁がいた。
背を向けているので、その顔はこちらからはわからない。
「おやおや、こんな夜更けに奇遇ですね」
「誰だ!」
本当に何者なのだ、この男は。わざわざ人が消えた村に来たというのに、なぜ存在するのだ。
疑問が頭を支配し、態度に出てしまう。
「落ち着いてくださいよ。別にそんな警戒しなくても、ねぇ…」
「うるさい!なんなんだお前は!教会の人っぽくないぞ!」
「これは失礼。では、初めからやり直しましょうか」
神父は振り向いてから腕を広げ、抱擁するような体勢になった。やはり逆光のせいでその顔は見えない。
「ようこそ、教会へ。して、どういった用件かな?」
「お前には関係のないことだ!早くとっとと失せろ!」
「それは困りますね、お兄さん。こんないい月夜の晩にそれをやられると…」
神父の姿が消えた。
「つい、殺してしまいたくなります」
と思ったら次の瞬間にはいた。神父らしからぬセリフも吐くし、幻覚でも見ているんだろう、と思い目をこすろうとする。しかし、それは叶うことはなかった。
肩から先が、動かない。しかも、両方とも。
恐る恐る確認してみると、そこに腕はなかった。あるのは、ただの空間だけ。
「イ、イタイイタイイタイ!」
なぜ?いつの間に?考えられる原因をにらみつける。
「そんな目をしなくてもいいじゃないですか。今までこういった対価は支払ってきたのではないのですか?」
「クソが!知ってやがるのか!知ってるならもういい!我、汝に契約の履行を求めん!対価は、このブローチだ!」
「少し、慈悲を与えすぎましたか」
地より出てくる、巨大な異形。
「フハハ!これで俺のか、ギャピ!」
勝ちを確信した瞬間、オレノ、イシ、キハ…
「はあ、厄介ですね」
目の前で無数の触手を操ってる異形に目をやる。先ほどまで話していた彼は、異形に裏切られて死んでしまった。
「うわあ、彼食われてますよ。孤児院のみんなには見せられない光景ですね」
始末書が……。後のことを考えると憂鬱になる。
「まったく、どうして私は定年後も働かなければいけないんですかね」
一見無造作にうごめいている触手だが、その動きは確実にこちらの急所を狙っている。
「よっと、ほいっと。」
安全マージンを十分に取りつつ、回避し続ける。
「では。洗礼、開始。」
教会内に仕掛けておいた聖遺物を模したものの起動を命じる。瞬間、教会全体が目に優しい光で包まれ、耳をつんざく音が出始める。
「ちょっと聖なるものに当たったからってそんな醜い声を出さなくてもいいではないと思うのですが」
触手の主も遊びはやめたようだ。先ほどよりも素早く、正確にこちらを狙っている。しかし、こちらに害をなすことはできずにいる。
「ふむ、こんなものですか。今回は低級のもののようですね。すぐに終わらせますか」
腰の剣に手をかけ、構える。
「それじゃあ、少しチクっとしますので我慢してくださいね!」
そして、剣を刺す。幾たびも、刺す。剣を指した場所に、光の柱が立つ。15回目に地面に縫い留めることが完了したので、輪切りにしていく。ようやくコアにたどり着く。
「はい、これで最期です、お疲れさまでした!」
剣をふるい、コアを異形の体ごと両断する。
コアが砂となり、そこから広がるように異形の体は砂になっていく。
最後には、食い散らかされた青年の痛いだけが残っていた。
「まったく、君は何をしているのだね。こんな異形なんかに頼るだなんて。人を頼りなさい。人を信じなさい。神、天使、悪魔、そういった物事に頼るのはやめなさい。人が、自分の力でつかみ取ってこそ意味があるのだから。来世ではがんばりなさい」
墓を建て、彼を埋める。
「はあ、今後一か月くらいはだらけたいですね~」
ぜひ、指摘等ありましたらよろしくお願いします!
作者のメンタルはよわよわなので優しくお願いしますね!