ミカロとルミはシルを助ける2
「ここです、ルミ姉さんお願いします」
シルマルシェルナシーが収監されている牢屋の扉前に着くと、ミカロマルシェルナシーはルミマルシェルナシーに扉の破壊を頼んだが。
「もう疲れちゃった、私は休むからミカロが助けてきて」
どうやらミカロマルシェルナシーとルミマルシェルナシーは事あるごとに騎士達に会ってしまい。
その都度ルミマルシェルナシーが氷結スキルを使って騎士達を追い払った疲れが出たらしい。
「ルミ姉さん、まだいけますよね? そうじゃないと私達も捕まってユウに会えなくなってしまいますよ?」
笑顔でミカロマルシェルナシーが答えるとルミマルシェルナシーは立ち上がり、牢屋の扉を蹴り飛ばして破壊した。
「シル姉さん!!」
牢屋の中に入るが他の囚人もいて騒ぎ出す。
「おい! 俺をここから出してくれよ姉ちゃん!!」
「俺もだ! 助けてくれたらたんまり礼をするぜ!!」
そんな奴等の言葉は無視してミカロマルシェルナシーとルミマルシェルナシーは静かすぎる牢屋の前に立つのだった。
「シル姉さん、出てこれますよね?」
牢屋の奥の影がスッと立ち上がり前に出てくる。
「ミカロ、ルミも来たんだ」
「さあ早く逃げましょう!!」
「私はここに残ってユウが来るのを待つよ」
そう言ってシルマルシェルナシーは奥に行き座る。
「シル姉さん、私はユウと約束したんだよ! シル姉さんと一緒に家に帰るって!!」
「そう、でも私はここで待ってるってユウに伝えて」
「ルミ姉さんどうしましょうか? シル姉さんは全く動く気はないみたいですが?」
「それじゃあ無理矢理にでも出さないと」
ルミマルシェルナシーに言われて、ミカロマルシェルナシーは王様と来たとき同様に牢屋の扉をこじ開け中に入る。
「ねえ? 別に私が扉を蹴り飛ばさなくてもミカロの力で壊せたんじゃないの?」
「どうでしょうかね」
ミカロマルシェルナシーとルミマルシェルナシーはゆっくりと牢屋に入り、シルマルシェルナシーが座っている奥に進んだ。
「さあ行きますよシル姉さん」
ミカロマルシェルナシーはシルマルシェルナシーを立たせようと手を取る立ち上がろうとしない。
「私は行かないよ」
「シル姉さん! そんなにユウに会いたいなら自分から会いに行けばいいじゃないですか! ここから出ることぐらい簡単でしょう!!」
ミカロマルシェルナシーの声が響くがシルマルシェルナシーは立とうとしない。
「シル姉さん、ユウと何かあったの?」
するとルミマルシェルナシーがシルマルシェルナシーの前に座り込む。
「私はユウと会う資格なんてない!」
「何言ってるんですかシル姉さん!? さっきまであんなにユウと会いたがってたじゃないですか!」
「ミカロはちょっと黙ってて」
ルミマルシェルナシーに言われ、ミカロマルシェルナシーは黙り込んだ。
「ユウがシル姉さんの事で色々あった事は知っています、何があったんですか?」
「私はマーミヤの事を隠してた、そうした方が不安にならないから、でもそれはユウには嫌われたくないのもあったの」
「それでユウに会う資格とかないって言ってるの? シル姉さん」
「ここに入れられてからユウの事をずっと考えてた、私の事を嫌ってないか、顔が見たいとかを考えてたの、そして王様に会わせてくれたらマーミヤの事を話すって言ったの」
「だったらここから早く出てユウに会いに行きましょう、会って謝ればシル姉さんだってそんな事考えないでしょう」
「ミカロマルシェルナシー、ルミマルシェルナシー」
するとミカロマルシェルナシーとルミマルシェルナシーを呼ぶ声が聞こえる、振り返ると王様が騎士達を連れて、牢屋の中に入ってくる。
「シル姉さん! こんな所にいたらユウは誰かに奪われちゃうかもしれませんよ!!」
ミカロマルシェルナシーが言ったことにシルマルシェルナシーの耳がピクッと動いた。
「シル姉さんがここでユウを待ってるなら私達は絶対に連れてきませんよ! そんなに会う資格がないなら勝手にしてください! 次に会えるのは背が高くなって大人になる頃ですよ、もしかしたら誰かと結婚するって報告をしに来るんじゃないでしょうかね」
「ユウは誰とも結婚しない! 結婚しようとしてもクラやあなた達が止めるはず!」
「私はユウが認めたなら考えますよ、まあクラ姉さんは認めてくれるか分からないですが、シル姉さんはこの牢屋で見てるしか出来ないんですよ、ユウが誰かと結婚するのを!!」
「そんなの私は認めない!!!!」
王様達が牢屋に入ろうとした時にシルマルシェルナシーは背中から翼を生やした。
王様と騎士達、ミカロマルシェルナシーとルミマルシェルナシーはその翼を見て立ち尽くしていた。
「決めた、ここから出てユウに謝る」
シルマルシェルナシーは立ち上がりミカロマルシェルナシーとルミマルシェルナシーの体を掴むと、扉から出ずにそのまま翼を羽ばたかせた。
直前にルミマルシェルナシーが上にあるコンクリートを氷で壊すと、壊したコンクリートの雨が降ってくる。
だがそれはシルマルシェルナシーが翼を使ってミカロマルシェルナシーとルミマルシェルナシーを守る、コンクリートの雨が止むと、外に出ていた。




