表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/160

父親の計画とは


「それでユウ・マルシェルナシーに決定したんだな」


「はいお父様、お母様もこの名前を気に入っており、もう皆で呼びあっているんですよ」


「そうか、そうか、ユウかこれからは色々教えていかなければいけないな、家の事情について」


「まあ、お父様ったらユウはまだ一昨日産まれたばかりなのですから、そんな事分からないですよ」


「そんな事ないよなユウ、お前はもう立派な貴族だもんな」


そんな声と一緒に高く抱き上げた父親は顔を近づけてきたので、すぐにクラ姉さんに助けを求めた。


「たぁや」


「お父様ユウが嫌がってるので、そんなに顔を近づかせないで下さい」


「そんな、もしかしてもう嫌われたのか、そうじゃないよなユウ」


「うぅぅ」


「ああ、分かった、分かった、クラどうすればいいんだ」


「何を言っているんですかお父様、私達を育てたのはお父様とお母様でしょ、自分でなんとかして下さい」


「そんな」


 父親の試行錯誤するのを見ていると、昔の事を思い出した、確か小さい頃にも姉が悩んでいるのを見たことがあった、姉さんは元気なのだろうか、まあ俺の事なんて、もう忘れてると思うけど。


「そう言えばお父様、そろそろ祭の準備をしなくてもよろしいのですか?」


「もうやっているぞ、明日はユウを街の皆に初めて見せるからな、皆気になっているらしいぞ」


「そうですか、それでは私そろそろ用事があるので、後は任せますよお父様」


「おい、これから一体どうすればいいんだクラ」


「もう少ししたらご飯の時間なので、ミルクをあげたらすぐに眠くなりますよ」


 父親とクラ姉さんが部屋から出ていくのを見ると、父親は近くにあった哺乳瓶を手に取った。


「もう作ってくれていたのか、さすが私の事が分かっているなクラ」


「あ、あ、あ」


「飲みたいのか仕方ないな、ほらゆっくり飲むんだぞ」


 哺乳瓶を口に咥えて、ゴクゴクと中にあったミルクを飲みきった。


「それにしてもユアはどこに行ったんだ、クラに聞いても知らないの一言だったし、そんなに一気に飲むんじゃない」


 哺乳瓶を取り上げられると、部屋のドアがノックされた。


「誰だ?」


「俺です」


「お前か計画は明日の筈だろう、何故ここに来た?」


「確認をと思いまして、明日はあなたが子供を抱いて壇上に登られるんですよね?」


「そうだ、その時がチャンスだ、いいか絶対に失敗するんじゃないぞ、失敗してしまったら、全てが水の泡なんだからな」


「それでは失礼します」


「全くこんな場所に来るなんて、まあ一人だったおかげで、計画はバレずに済んだがな」


 一人じゃないんだがな、さっきの話を聞く限り、この父親は明日何かの計画を企てているらしい、それが良くない計画なのは明らかだった。


「なんだユウそんなに暗い顔になって、もっと明るい顔をしろ、明日はお前の為に祭りを開くんだからな」


 そんな事を言われても、あんな事を聞いたら明るい顔なんて出来るわけない、プイッと顔を上に向けた、すると天井からブラン姉さんの顔が見えた、ブラン姉さんもこっちに気づくと、人差し指を鼻に当てていた。


「ん? 何か上にいるのか?」


 父親も上を見ようとしたが、ブラン姉さんは消えた後だった、その後ミルクを飲み終えると、クラ姉さんの言った通り眠くなってきた、すると丁度母親が部屋に戻ってきた。


「おいユア、ユウを放って今までどこに行ってたんだ」


「別に私がどこに行こうとあなたには関係ないでしょ!」


「ふん、それより私はそろそろ家に戻って祭の準備がどうか聞いてくる、お前も明日は祭に出られるようにしておくんだぞ」


 父親は怒りながら部屋から出ていった、そんな時に窓の方から誰かがこちらを見ている事に気づいて、窓に目を向けると、そこには白服の仮面を被った奴が窓に張り付いていた、すぐに母親にも気づかせようとしたが、母親はベッドの方まで一直線に行き、窓に張り付いた奴などに気づかなかった。


「ごめんね今日は一緒にいてあげられなくって、明日はクラ達と一緒に祭を楽しむ予定だから、早く寝た方がいいわね」


 窓を見ると、さっきの白服の奴は消えてしまい、夕方の夕陽だけが見えていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ