ユウのプレゼント選び2
「こちらなんていかがでしょうか、今街の子供達の半数がこのオモチャで遊んでいますが」
「ユウ、どうですか?」
クラ姉さんがオモチャ屋の店員から受け取った小さいロボットを渡してきた。
「実はこれには特別に音声認識を使っていて喋れるんですよ!」
買わせようと必死にアピールしてくるが全然面白くない、だってルンキ姉さんのラボに行けばモグがいるし、普通にメイドロボが家にいる時点でこんな物には興味を示さない。
「ダメなようですね、もしかして来る店を間違いましたかね」
「ああ、少々お待ちください、もう一つあるのです」
店員が離れると、そんなに時間はかからず戻ってきた。
「お待たせしました、このオモチャはまだ未発売なのですが、マルシェ家のお子様なら特別に売っても構いません」
「これはなんですか?」
「これは女性の好感度を計り、どんな言葉が女性を虜にするかを計算して遊ぶと言うオモチャなんですよ」
店員が説明している所でバキッと音がした、店員が持っていたオモチャは粉々に粉砕していた。
「そんな物ユウには必要ありません、もういいです、ユウ行きましょう」
「ああ、そんな」
店員はガックシと腰を落とし、クラ姉さんがオモチャ屋から出ると、正面には姉さん達が集合していた。
「もう時間だよクラ」
「もうそんな時間ですか仕方ありません、今回は服しか買えませんでしたが、いいでしょう次はルンキでしたね」
「そうだよ、ユウと一緒に行きたい所があるからね、クラ姉さん早く抱かせて」
クラ姉さんからルンキ姉さんに抱かれようとしたのだがクラ姉さんは寂しい顔をしながらもルンキ姉さんに抱かせた。
「言っとくけど付いてきちゃダメだからね」
「何を言ってるんですか、私の時は付いてきていたのにそんなの許せるわけないじゃないですか」
付いてきていた、え、まさかずっと姉さん達もいたの、全然気づかなかった。
「うう、これじゃあユウと二人きりになるなんて無理だよ」
ルンキ姉さんは涙目になりながらも歩き始めていた。
「ユウ行きたい所とかある、私が行きたかった所はクラ姉さんに行かれたからね」
行きたい所、まだ街の事は細かく知らないが行きたい所はあった。
「あゃ」
「あっちなの、よし道案内をよろしく頼むよ」
ルンキ姉さんに頼まれながら、覚えていた道を案内書すると、店の前に着いた。
「ユウ、本当にここに来たかったの」
疑問に思ったのか、ルンキ姉さんに聞かれた。
「あぅや」
「そっかそっか、ユウも私と一緒でロボットとか魔道具とか作りたくなったのかな」
ルンキ姉さんと一緒に店に入ると、デカイ店主が現れた。
「おう、ルンキじゃんか、どうしたんだ今日は?」
「今日はねユウにプレゼントを買いに来たんだ、なんかピッタリのってないかな」
「ああ、ルンキの弟か、うーんまだ赤ん坊には早すぎると思うけどな」
ここはルンキ姉さんが作るロボットや道具の材料や工具などを売っている店だ、前にルンキ姉さんに連れてきてもらった事があり、興味が出たのだ。
「やっぱりそうだよね、将来用に工具とか買ってもいいんだけどね、まだ先だからな」
「いや待てよ、確か最近いいのが入ってきたんだよ」
店主は店の奥に引っ込むと、ある書物を持ってきた。
「あったよ、これなら赤ん坊でも大丈夫だし、将来に役立つと思うぞ」
「これってロボット構造の書物だよね」
「道具の構造なんかも書いてあるんだけどな、それよりも凄いのは、この書物は数百年前の物ってこと、それにこれは毎月新しい構造が出てくる書物なんだよ」
「そんな凄い物があったなんて知らなかった」
「まあルンキには必要ないだろ、ルンキのスキルは魔道具作成スキルなんだから」
「まあね、構造の書物か確かにユウのプレゼントにはいいかな、どうユウ気に入った」
ルンキ姉さんは書物の数ページを見せてきた、まだあまり理解するのは難しいが、これがあれば将来役立つのは本当だろう。
「あぅや、あぅや」
「どうやら気に入ってくれたみたいだな」
「じゃあこれを買うよ数百年前って事は高いでしょこれ」
「そうだな金貨百枚だな、ないなら別の日でもいいぞ」
「あるから大丈夫だよ、確かミグリが持ってたような」
すると店にミグリが入ってきた、まさか今のが聞こえたのか。
「金貨百枚ならここにありますよ、ルンキマルシェルナシー様」
「ありがと」
「おおミグリ、どうだ最近のパーツは」
「あまり良いとは言えません、もう少し性能面をあげたくてもパーツの性能が悪くて」
「そうか、もう少ししたら新しいパーツも入ってくるだろうし、また試してくれるか」
「いいですよ、その分の代金はいただきますが」
「ああ、ミグリのおかげでパーツの売れ行きもいいしな、また頼むよ」
「それでは私はこれで」
ミグリはさっと店から出ていくと、ルンキ姉さんは店主に金貨百枚を渡した、まだ金貨の事はよく分からない。
「おじさんありがとね、いいプレゼントが出来たよ」
「おう、また今度来てくれよな」
店から出ると姉さん達が立っていた、もう交代の時間なのか。




