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シルを始末する2

 街を歩き目的の女を探すが、いくらを探してもフードを被った女は見つからない、もしかしたらどこかの店に入ったのかもしれないと思い、近くの店に入り悪魔の店員に聞くが、フード被った女は見てないと言った。


 店を出てから、少し疲れたので休んでいると、近くに治療院が見えた、しかもあの治療院は知り合いの魔王が営んでいる治療院であった、さっさと離れようとした時に運悪くその魔王に見つかってしまった。


「君は確かスリーの娘だよね」


「まさかこんな所で会うとは、久しぶりですね魔王アイル・ツー・サイドさん」


「そうだね、最近スリーの様子はどうだい」


「元気ですよ、最近は人間の一人に深手を負わされて家の方で休んでいます」


「そうなのかい、私に一言言ってくれれば、すぐに駆け付けたのに」


「よく言いますね、他人の家の大半を壊した人が」


「あの時は仕方なかった、もうスリーも怒ってはいないだろ」


「まだ会わない方がいいですよ、大切なコレクションを壊されたせいで、まだお怒りですから」


「今度謝りに行くよ、もしかして今日はそれを伝えに来てくれたのかい」


「いえ、別の用事で通りかかっただけです、この辺りでフードを被った女は見てないですか?」


「フードを被った女? 知らないね、フードを被った男の子なら知っているよ」


「一応警告しておくと、その男の子には手を出さない方がいいですよ」


「まさか君の知り合いなのかい?」


「まあ、私も知り合いですけどね」


 どうやらマオちゃんの弟はこの治療院にいるようだ。


「だったら彼の連れの治療費は君が払ってくれるのかな?」


「治療費、いったいどれくらいの額ですか?」


「金貨五百枚ってとこかな」


「いいでしょう、今は持ち合わせがありませんが明日に金貨五百枚を持ってきますよ」


「じゃあ取引成立ってことで、すぐに解放してあげよう」


「それは待ってもらっていいですか」


「どうしてだい」


「一つ提案ですが、彼らに仕事をあげてはくれませんか」


「まさか彼らを治療院で雇えと君は言っているのかい」


「そうですね、あなたが彼らを雇ってくれるなら、私は倍の金額の金貨を持ってきます、ただし治療院の中では護衛をつけてください」


「雇うのは構わないが護衛をつける必要があるのかい」


「必要ですね、万が一にも男の子の顔に傷でもついたら多分ここの治療院が潰されますよ」


「一体誰に潰されるんだい」


「あなたの知り合いでもあるマオ・セブン・タイラントですよ」


「彼女かでもなぜ彼女が男の子を傷つけられたぐらいで治療院を潰すと分かるんだい?」


「それは秘密です、私の提案は受け入れてくれますか」


「まず様子見で一日雇おうか、この事はマオ・セブン・タイラントは知らないようだね」


「はい、彼女は今は街の中をくまなく探してるので多分見つかるのも時間の問題でしょうね、見つかった時には、私の話は内密にお願いします」


「じゃあまた明日、明日の働きしだいで正式雇うかもしれないが問題ないよね」


「ええ、問題ありません、ではまた明日お伺いします」


 私は魔王アイル・ツー・サイドと別れ、治療院から離れようとした時にフードを被った人物を数人見つけた、物陰に身を潜め様子を伺う。


「シルは一体どこにいるんですか」


「いくらシル姉さんでも一人で乗り込むなんて、それでクラ姉さんどうするの」


「まず二手に分かれてユウとシルを探しましょう、私とミカロでシルをルミとブランはユウを探して」


「了解、じゃあブラン行くわよ」


「待ってよルミ姉さん」


 フード被った数人は姿を消した。


「まさかあんな大人数の人間が侵入してくるなんて一体どうなってるの」


 先に見つけられる前に急いであのフードの女を探し出す必要がでてきた。

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