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シル姉さんはキレる


 城の窓から黒い翼を拡げたような奴がユウを背負い飛び去っていった、追いかけようとしたがレイシアに止められた。


「シル、あいつは危険よ、今追いかけてもシルが戦って勝てるか分からない」


「でも追いかけないとユウが」


「分かってるわ、でも堪えて、あいつの飛び去った方向は魔悪大陸、魔族と悪魔が共に共存して住んでいる大陸よ、悪魔は数千といるし、魔族も上級から下級まで何百といるから、シル一人じゃ無理よ、ここは一旦下に降りて、ミグリと合流しましょう」


 レイシアの言う通り一人で行っても無駄なのは分かっているが、黙ってユウを連れ去られても嫌だ、すぐに翼を拡げ、追いかけようとするが前に元団長リィーヤ・ファントムが怪鳥に乗り現れる。


「全く君は前と変わらないなシル・マルシェルナシー、そんなだから弟君をあの魔王の娘に取られるんだよ」


「魔王の娘!? なんでそんな奴があの子を連れ去るの」


「さあ、私にも分かんないさ、でも何か目的があるから連れ去ったんでしょう」


 元団長が言った言葉にレイシアが驚いていた。


「だからさもうあの子の事は諦めなよ、ほらもう見えないでしょ」


「ねえ私の話聞いてるのシル・マルシェルナシー」


 ずっと黙って元団長の話を聞いていたがもう限界だった。


「黙れよ」


「えっ? 何か言った? 声が小さくて聞こえなかったから、もう一回言って」


「だから黙れって言ってんだよ、このクソ女が!!」


 握っていたレイシアの剣先を元団長に向ける、雷撃が怪鳥に乗っていた元団長を襲う。


「ちょっとシル何してるのよ急に!!」


 レイシアの言葉を無視して、前に飛ぶ、白煙が上がり前が見えなくなった。


「シル、さっさっとこの白煙から出ないと危険よ」


 目の前から気配を感じた、咄嗟に右に避けたが怪鳥の足が右肩に貫通した。


「おっと、まさかそんな所にいたとは、出血もしてるようだし危険じゃないの」


 元団長が上から覗き込んで話しかけてきた、貫通した肩から痛みがする。


「知ってて突っ込んできたんでしょう」


「まさか、私は何もしてないよ、突っ込んだのはこの子」


 すぐにでも離れようと、左腕に力を入れ貫通している右肩を抜こうとしたが、深く貫通しており抜くことが出来なかった。


「さあて、一旦城に戻ろうか、そこでなら君をいたぶる事だって出来るし」


「悪いけど、そんな時間ないから」


 レイシアを怪鳥の足に向け、怪鳥の足を切り落とした、すぐに翼の速度を上げて落下する、途中で上を見上げると怪鳥と元団長は消えていた。


「シル・マルシェルナシー様」


 学院の地上で、ミグリが名前を呼んでいる、地上に着地するとミグリが近づいてきた。


「あれユウ・マルシェルナシー様は一緒ではないのですか?」


 ミグリはユウがいない事を不思議に思っている、すぐにミグリに事情を説明して、二人一緒にクラの元へと行く、クラにも説明すると、食べていたお昼のおかずを落とした。


「冗談ですよね、ユウが攫われたなんて」


「ううん、冗談なんかじゃない、今すぐに家に帰ってユウを連れ戻す作戦を立てないと」


「一刻も早く家に帰りましょう!」


 急いで家まで帰り、クラ・私・ミグリ、遅く帰ってきたルミ・ブラン・ミカロにもユウが攫われた説明をして家族会議を始めた。

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