城の中に入る人物
扉が消し炭になり、一瞬何かが通り風が起こった。
「シル、危なかったわね」
レイシアが声をかけてくる、さっきの扉が消し炭になった瞬間、衝撃で吹き飛ばされたが翼を拡げ飛んでいる。
「今何かが城の中に入っていく気がした」
まだ城の扉は修復していなかった、すぐに城の扉を抜けて城の中に入る。
「誰もいないわね?」
「この城は広いからもしかしたらユウは他の場所に移動したのかも」
「確かにその可能性はあるわね、なら私も一緒に探した方がいいかしら」
「レイシアはこのままでいい、離れて探してもさっき城に入った奴が何者か分からないし、元団長も城の中にいるはずだから、このまま二人一緒の方が安全かもしれない」
「そうね、じゃあ取り敢えずあの子を探しましょうか」
レイシアを握りながら城の中を歩く。
∇ ∇ ∇
「で、俺をこんな所に閉じ込めて何をするつもりですかリィーヤ先生?」
城のどこかの部屋の椅子に縛り上げられ目の前にはリィーヤ先生が椅子に座り込んでいる。
「別に何もしないよ、ただ城から逃げられても困るからね、ここで大人しく待っててくれればいいさ」
リィーヤ先生は椅子から立ち上がり部屋から出ていく、手を縛られているせいで召喚も上手く出来ない。
「この部屋なんかに縄を切る道具はないよな」
辺りを見るが、道具のような物は無く、あるのは本棚だけだった。
「一応身体強化を使って力ずくでやってみるか」
腕に身体強化を使い腕の腕力を上げて縄を引きちぎろうと頑張るが、縄は全然引きちぎれない、それから何度か頑張ったが、縄は引きちぎれなかった。
「さっきなんか変な音したけど大丈夫なのかここ」
ついさっき近くで轟音が部屋に響いてきた。
「もしかしてシル姉さんが城の中に入ってきたのか」
どたどたと足音が聞こえてくると、部屋の扉が開かれた。
「あなたがルンキさんが言っていたユウなの」
部屋の扉が開かれた先には頭には角、髪は漆黒の黒髪のロング、顔は間違いなく美人だが、この感じどこかで感じた事がある。
「顔は似てはいるわね、まあ今は確認することがあるけど、あなたの名前はユウ・マルシェルナシーね?」
「はい、そうです!!」
何故か騙してはいけない気がして大声で答えてしまった。
「私が誰だか分かる?」
「えっと分かりません、初めましてですよね?」
「私の名前はマオ、マオ・セブン・タイラント七人しかいない魔王の一人セブン家の一人娘マオ・セブン・タイラント」
「魔王の娘!?」
まさかとは思うが、姉さんなのか、だが確証もないし信じるわけには。
「私がここに来た理由はあなたの事が気になったから」
「俺の事ですか?」
「そう、私がこの世界に来て初めてユウって名前を聞いたからお願いして連れてきてもらった、だけどどうやら違うみたい、残念ね」
マオと名乗った魔王の娘に指を向けられる、指が光輝き、危ないと思い声を出した。
「五月十三日!!」
一瞬顔が驚きに変わり、光輝いていた指は消える。
「俺が一度死んだ日で、もしかしたらあんたの誕生日」
「ゆう? 本当にゆうなの?」
目の前の魔王の娘の顔から涙が溢れだしていた。
「まさか本当に姉さんなのか?」
本当に信じていいか分からないが、流している涙は本物だし。
「まさか本当にゆうに会えるなんて」
魔王の娘は体を大きく広げ飛んでくると抱きつかれる、抱きつかれると衝撃で倒れ込む。
「名前を聞いた時は絶対に違うと思ってた、だけど本物だ、本物のゆうだ、私の弟がここにいる」
「姉さん」
抱きつかれながら頭を撫でられる、これはもう信じるしかない、目の前にいるのは本物の姉さんだ。




