学院行く
「今何時?」
「もう深夜の二時ですよ」
ミカロ姉さんはクスッと笑い頭を撫でる。
「俺、風呂で気絶でもしたの」
「気絶じゃないでしょうね只の疲れですよ」
「疲れか、そういえば今日はスキル使い過ぎたからな」
「全くお風呂で声をかけても返事がないから入ってみたら、溺れかけてたんですよ」
ミカロ姉さんが額にデコピンをする。
「でもミカロ姉さんが助けてくれたんでしょ」
ミカロ姉さんは黙り込む。
「最近ユウと会う頻度が減りましたね」
「まあ学院にも通いだしたからね、小さい頃はもっと会ってたけど」
「ユウは何も言いませんが私達を恨まないのですか」
「なんで恨むの?」
「だって私達の存在がバレて家から追い出されたのですよ、あの母親に」
ミカロ姉さんは拳を強く握る。
「別に気にしないよ、だって姉さん達がいるじゃん」
「今日はもう遅いから寝ますね」
起き上がり、ミカロ姉さんがソファーから立ち上がる。
「おやすみミカロ姉さん」
「おやすみなさいユウ」
ミカロ姉さんは少し浮かない顔して部屋に行ってしまう。
「まさか溺れてたとは」
ソファーに寝転び天井を見上げる。
「それにしても悪魔にアリミを取られるとはな」
悪魔が握っていた悪転の短剣を取り返す事は出来なかった。
「一体何を企んでるのか」
最近よくあの悪魔に会うが、警告なんてしてきたり家を襲ったり目的が分からない。
「まあ今日はもう寝よう」
すぐに瞼を閉じ寝る体制に入った。
「起きてくださいユウ」
体を揺らされ目を開ける、目の前にはクラ姉さんが座り込んでいた。
「もう朝」
目を擦り起き上がる。
「そうですよ、ミグリが朝ごはんの準備をしてますから食べるんですよ」
クラ姉さんは立ち上がる。
「先に行くのクラ姉さん」
「先生ですからね、早く行かなくちゃいけないみたいです」
「行ってらっしゃい、俺もすぐに行くよ」
クラ姉さんが家から出て学院に向かった、すぐにミグリを呼び朝ごはんを食べる。
「ユウ準備出来てる?」
「出来てるよ、シル姉さんは?」
「私も出来てる」
朝ごはんを食べ終わると学院に行く準備を始めた、今日はミグリも一緒に馬車に乗っていくらしい、シル姉さんの腰には天恵の細剣が差し込んでいた。
「では出発しますね」
馬車に乗り込み、学院まで向かう。




