父親の想い
拙い文章ですが、読んで頂けたら嬉しいです。
私は第2王子の誕生日パーティーの翌日、王宮に呼び出されていた。
「やぁジェイス、忙しいところ呼び立ててすまないな。」
すまないとは思ってなさそうな顔で国王陛下はそう言った。
「心にもないことをいけしゃあしゃあと。」
ちらりとアレックスの方を見て呟くとどうやら聞こえていたらしい。
「心外だな、まるで私が血も涙もない人間みたいじゃないか?」
アレックスはくつくつと笑いながら私室のソファをすすめてきた。
「お前が俺を呼び出すなんて珍しいじゃないか。何か火急の案件か?」
気を取り直して問い直せばアレックスはおもむろに口を開いた。
「いや、ミランダがな…」
何故ここで王妃の名前が出てくるのかと思っていると予想だにしない言葉が発せられた。
「リズの事をいたく気に入ってな。アルフレッドの婚約者へどうかと進言してきたのだ。」
「これは私の予想ではあるが昨日のアルフレッドの様子をお前も見ただろう?息子の初めての恋心を汲んでやりたいと王妃も思ったのだろう。」
アレックスは目を細め昨日の事を思い出しているようである。
確かにアルフレッド殿下はリズと挨拶をかわすなり真っ赤な顔をしていた。
リズに好意を抱いたのは間違いないだろう。
「まぁ、俺のリズは世界一可愛いからな。アルフレッド殿下が好ましく思うのも頷ける。」
「でもなアレックス、俺はリズには政略結婚でなくリズの好きな人と結ばれてほしいと思ってるんだよ。申し訳ないが…」
「リズがアルフレッドを好きになれば何も問題はないだろう?」
俺の言葉に被せるようにアレックスはにんまりと笑いながら言葉を発した。
有無を言わせぬ圧力を笑顔でかけてくるところは腐っても国王というところか。
「仕方がないな。だがあくまでも仮の婚約だ。もし万が一リズがアルフレッド殿下を好きになった場合はそのまま正式なものへと移行しよう。」
「だが、リズに他に好いた男がいるならこの婚約は白紙に戻す。
この話は俺からリズには一切伝えないー今はな。それがこの話を受ける条件だ。」
アレックスの目を見ながら条件を伝えると笑いながらアレックスは言った。
「いくらこの国広しとは言え、この私に意見するのはジェイス位だな。分かった。その条件を飲もう。」
「私としても息子を甘やかすだけではいけないと思っていたからな。」
俺は食えない顔をしたアレックスの顔を見ながらリズは大丈夫だろうかと胃がキリキリし出した。
こいつは狙った獲物は絶対に逃がさないやつだ。
仮に第2王子がその性格を受け継いでいたとしたら厄介以外の何者でもない。
小さな頃からアランのお嫁さんになるときらきら目を輝かせていたリズを不憫に思わずにはいられないジェイスなのであった。




