やっぱりお兄様が好き
後ろから回された華奢な腕。
背中にじんわりと伝わるリズの温かさ。
このまま振り替えってリズを抱き締めて好きだと告げてしまいたい。
俺の身体に回されたリズの腕に触れようとしてはっとした。
そうしてしまったら俺はリズを離せなくなってしまうだろう。
俺よりもアルフレッド殿下といた方が絶対リズは幸せになる。
触れようとした俺の手は空中をさ迷った。
「アランお兄様…大好き」
更にきゅっと力を込めたリズの手。
その声は震えていて今にも泣き出しそうな声だった。
幸せになってほしい大切な子を泣かせている。
これは正しい判断なのか。
「アランお兄様が私の事をただの妹としか思ってないというなら諦めます。でも、もし、そうではないなら抱き締めてほしいのです。私が笑顔になれる場所はアルフレッド殿下の隣ではなく他でもないアランお兄様の隣なのですから」
考えるよりも先に身体が動いていた。
リズをぎゅっと抱きすくめる。
「本当に俺で良いのか?こんな臆病で自分勝手なヤツなんたよ?」
「どんなアランお兄様でも大好きですわ。それに私も臆病です。アランお兄様に嫌われたら生きていけないんですの」
アランお兄様を見上げて茶目っ気たっぷりに伝えるとふっと微笑んだアランお兄様の顔が近づいてくるのがわかった。
私はそっとまぶたを閉じた。
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アランお兄様に嫌われたら生きていけないんですの。
そういって微笑ったリズが俺の気配を読み取ってそっと瞼を閉じた。
リズの唇に自分のそれを重ねる。
ちゅっちゅっとリズの唇を啄み柔らかなその唇を思う存分堪能する。
「んっ…アランお兄、様…ふぁ」
空気を求めて、空いた隙間から舌を割り込ませ口付けを深くした。
リズの顔を見やると驚きに目を見開いていやいやをするように首を左右に振った。
否、正しくは振ろうとしたが出来なかった、か。
リズの後頭部を右手で抱え込むと反対の腕でリズを抱き締めた。
リズの目には羞恥からか息苦しさからか涙が浮かんでいる。
思う存分リズの唇を堪能した後、そっと唇を離した。
足に力が入らなくなってしまったであろうリズはきゅっと俺の服を握りしめて何とか立っているような状態だ。
「リズ、大丈夫かい?」
「は、い…大丈夫、ですわ」
顔を真っ赤にして潤んだ瞳で見上げてくるリズの破壊力と言ったら半端ない。
理性を働かせて何とかやり過ごす。
それとともに愛しさが溢れてくる。
小さな頃からリズだけを見てきた。
この想いに嘘偽りは全くない。
「リズ…俺と結婚してくれないか?」
「っ!はい…でも私でよろしいんですの?」
大きな瞳にたくさんの涙を浮かべリズが俺を見上げてくる。
「バカだな…リズでいい、じゃなくてリズが良いんだよ」
「はい…よろしくお願いいたします」
泣き笑いのリズの目元に浮かんだ涙にそっと口付ける。
ふわっと微笑んだリズの笑顔は小さな頃から何一つ変わっていない。
覚悟しといてね、リズ。
ーお互いに微笑みあうともう一度口付けた。
本編最終話です。
番外編で色々書けたらなぁと思っています。




