幻想(ゆめ)の現実(なか)-Everything starts-
―――それは、交わる事の無いモノが、夢現にも交わる、二つの物語。
【1.真白】
―――はじめまして、久しぶり。
∃ーソンザイーは『全』、名を“森羅干支是”……宜しくね★
∃とは、“人”が自身を呼ぶ時に使う一人称みたいな表現だが、それ即ち、“人”とでは無い。
∃は、“概念”と言う一種の個体。
その内の一つ、『全』。
『全て』って全く全然一つじゃ無いけどね。
後、定型句で言わせて頂くと、∃は『完全』では無い、完全では無くなった。
何せ“人”の身体を得て終って居るのだからねぇ。
でも不憫は無いよ、∃の棲む世界“有”は、真っ白で何も無いけど、何かは有る様になる―――だって『全』であり、『有』がモットーの場だもん。
無論、『無』も可能だけどね、『全』なのに、『全』だから。
それじゃあ、話に入って行こうか……いや、話と言っても∃の一人語り……いや、一概念?
全概念?
……まぁ良いや、兎に角、物語、本編に入るのでは無く、只勝手に喋っているよ、って意味でのお話。
場作りとして∃は、ガーデンチェアに座って、ガーデンテーブルに置いてあるティーポットとティーカップ、具現世界の方法とやらに従って、用途を熟しに達しつつ、一服して語るとしよう。
―――然しラッキーな事だよ?
∃は、普段はこう話すなんて事は無い、概念故に、具現世界の生物達とね。
誰に伝わっているかは、まぁ不特定多数or少数?
じゃあ本題ね……現状、∃の具現の基となる世界では、少々厄介事が生じている。
その世界、概括的に“空想世界”と称する。
その世界は、能力とか幻獣とか、様々な想像の創造が蔓延って成り立つ惑星だが、その対義語たる科学、理論には適わず、又、魔法でも及ばず。
それが空想世界略して“空界”だが、その空界に住む者の一人が、全くの次元と時空を超越した跳躍を果たしてしまったのだよ。
俗に、異世界転生とか転移とか言ったかな? それが今回、∃が出る幕となってしまった因果。
だが、いや、今回のケースは少しズレている。
∃は、空界に於いて干渉は出来ずとも、傍観は出来るが、その者の行った世界は、干渉も傍観も出来ない。
コレがどういう事か……まぁ解らない。
予測だけでの語りだからね。
仮説の一つは、具現世界に近付く事か、具現世界其のものに辿り着くか。
言うと具現世界は異世界では無い。
何故なら空想世界と言う1つの惑星以外にも異なる生物が凡百文明を築き上げている惑星が存在し、それ等を異世界と呼ぶのだから。
詰まりは、異世界転生・転移では無く、別世界転生・転移。
困った事だよ、若しかしたら空界は本当に終焉を迎え、概念である∃達は、消え行く念なのかも知れない。
だから、『全』乍、概念乍、心配だよ、何せその別世界へと行った者は、∃を創った親みたいな者でね。
言ってしまえば空想世界の半分を創ったと言っても過言じゃない。
実際に、我が物では無し我が物顔では無い謙虚な人柄だが、世界の存在を変えてしまう程の能力を兼ね揃えて在る。
基、在った、転移したから。
こう言った奴は、別世界《向こう》に行った場合……何だっけ? ∃ツエーだったかな? チートだかニートだとも呼ばれていた様な。
間違ってはいないね、でも彼は否定するだろうね。
正しさこそが彼の目標で、忌む可きはマチガイ。
だがどうやら、世界を歪ます迄に至って異界に他界するとは、現界での限界が来たらしい……。
―――変わる事を祈ろう、戻る事を願おう、進む事を望もう。
其れが彼として存在した者の、課せられた枷なのだから。
じゃあ、コレで∃の語りを終わるとしよう、ご清聴有難う。
次に出会うのは、彼が再び『死』を選んだ時、∃は『始』を送るべく、彼と共に出会うかも知れないね。
【2.具現】
―――其れこそ、何らかの因果に寄って得た能力で有り、出来事が普通だと、個人的に世間的に実感した時、何であれ其れは『現実』と呼ぶだろう。
だからこそ、うんざりしたのだと想う。
何処迄行ったって、終わりは現実に成る。
幻想は幻想で、空想は空想。
己の能を、脳を、極限に迄使い、具現したとして、出力したとして、詰まらない、くだらない、交わらない、混ざらない、適わくて叶わない、叶わなくて適わない、でも退っ引きならない、現実だ。
―――其れだけとは有るのだろうか……現実が絶対で寄り付かない、幻想。
有るのなら感じたい、在るのなら行きたい、試したい。
年中無休の幻想世界へ……
建て前付けた、意味の無い、意味不明な空っぽの現実世界を捨てて。
そしてきっと、その行いは、現実的に、こう呼ぶのだろう……
「現実逃避する」
適うのなら、二度と会う事が御座いませんように。
ではでは、再投稿です。
2つ別サイトにて投稿しているので宜しく。