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学校の七不思議?  作者: 刃闇龍河
8/9

最終話

今更だけど、これを「ホラー」と呼んでいいのだろうか

「ここにもいない」

 そういって俺らは「1-2」の教室から出た。

 あの後、いざ探そうと歩き出したのはいいが、手がかりが一つもないので手当たり次第探していた。

 まだ三つ目の教室だというのに、残り時間は70分を切っていた。

 “少女”がどのように隠れてるのかわからないので、隅々まで丁寧に探さないといけないのに加え。

「えりゃっ」

 倒しても倒しても減る気配のない霊たちが邪魔してくるので、凄く時間がかかるのだ。

「くそっ、埒が明かねぇ」

 茂がそう言いながら剣(より刀っぽい)を振り回す。

「ふっ、えりゃっ。はぁはぁ……しょうがない。ここは危険かもしれないけど、三人バラバラの場所を探しましょ」

 と琴美は提案する。

 確かに危険かもしれないけど、時間が限られている今は琴美の言った通りバラバラに探した方がいいかもしれない。

 そう思った俺は、

「わかった。それじゃ、俺は1階を探すから、琴美は2階、茂は3階を探して」

 二人にそういうと、二人は、

「「わかった」」

 と言って階段の方へ走っていった。

 二人がいなくなったので、周りに気を使わなくてよくなった俺は大技を使って敵を焼き尽くした。少し床が焦げてしまったがまあいいだろう。

「それじゃ、俺も行くか」

 そう呟いて、次の教室に向かった。


 ~六十分後~

 俺はすべての教室を探し終わったので、2階と3階を抜いた、まだ探してない場所へと向かった。

「あっ、進」

 その場所に行くと、そこには茂と琴美の姿があった。ということは、

「見つかんなかったのか」

 俺が聞くと二人は頷いた。

「お前もか?」

 と茂が聞いてきたので、俺も頷いた。

「ってことはやっぱり、ここにいるのね」

 そういって琴美はその建物を眺める。俺らもつられて上を向く。

「体育館か……」

 茂が上を向きながら呟く。

 今俺らがいるのは、体育館に入るためのドアの前である。この学校の体育館はそこそこ大きく、校舎の半分の大きさがある。校舎と体育館を行き来するために使う、この屋根が付いているだけの渡り廊下は壁がないため、上を見上げることが出来る。

 だがもちろん見えない結界が張ってあり、外に出ることは出来ない。

「とりあえず入るか」

 茂がそう言って俺の持ってた鍵を使い、扉を開ける。

 中は窓から月の光が入ってきているだけなので薄暗く、夏の今でさえ少し寒かった。

「しかし……広いなー」

 茂がそう言って数歩前に出た。

「この中から探すのね……」

 琴美が疲れたように言う。

 この体育館にもいくつか小部屋が存在する。しかし、残り7分で探し当てるのは難しい。

「もっと“少女”について情報があればな。そうすれば“少女”の姿くらいわかるかもしれないのに」

 俺は独り言のつもりで言ったが、琴美はしっかり聞いていたようだ。

「情報ね……! そういえば、女の子が出てくる怪談、というより過去に起きた事件についての噂があったわ」

 琴美は思い出したように言った。

 もしかしたら“少女”について何かわかるかもと思い、

「話して」

 と琴美に言った。

「えっと、“少女”かどうかはわかんないんだけど、昔、今からだいたい20年くらい前の事件なんだけどね……


 小学校2・3年生ぐらいの八人の子供たちが、休日のこの学校に忍び込んで遊んでいたらしいのよ。

 それでね、校舎の中を見回っていた先生がその子供を見つけて、捕まえようとしたの。でも子供たちはすばしっこくてなかなか捕まえることは出来なかったの。

 それで、やっとの思いで一人捕まえたと思ったら、その子供が先生の腕を思いっきり噛んで逃げ出してしまったのよ。

 それで腕を噛まれた先生はついにキレて、家庭科室から包丁を持ってきて、さっき腕を噛んだ子供を取っ捕まえて殺してしまったの。

 それを目の前で見た子供たちは一目散に逃げだして、みんなどこかに隠れてしまったの。

 もちろん先生は誰かに喋ってしまわぬよう一人ずつ見つけて殺し、最終的に子供たちはみんな死んだ。更にそれを先生は隠したんだけど、しばらくした後、生徒たちが見つけてしまい……


 警察がやってきて、その先生を逮捕して事件は幕を閉じたわ」

 そこで話を止め、深呼吸をする琴美。

「もちろん、それで終わりじゃないだろう」

 茂が琴美に向かって言った。

「そう、これで終わりじゃないの。実はニュースにはなってないけど、まだ一人の遺体が見つかってないの。警察が全力で探しても見つからなかったんだって。で、結局警察は諦めて捜査を止めてしまったわ……」

 琴美はそこで話を止め、黙る。

 俺は今の話を聞き、“少女”の正体が分かった。

「そうか。つまり俺たちが探すのはその遺体(骨)ってわけか。でも、警察が探しても見つからない場所って?」

 普通に探して出てこないってことは、どこか意外なところにあるのか。

 そう思って腕時計を見る。残り、2分。

 思ったより時間は残ってない。俺は能力をフルに使って考えた。

「(普通に探してわからないところ……体育館……意外……くそっ、わからない。時間がないのに! ……時間?)」

 そう思って体育館についている大きな時計を見る。

「そうか!」

 俺は“少女”の場所が分かったので、時計の方へ走り出した。

 いきなり走り出した俺についてきながら、

「何かわかったのか!?」

 と聞いてくる。急いでいる俺は答えなかった。

 腕時計を見ると、残り1分。

「間に合うかっ?」

 俺はそう言って能力【浮力】を使って飛び、時計の近くまで移動した。

 数字の「6」が少し傾いている。俺はその「6」を掴み、右へ一回転させた。

 すると、俺の予想通り「6」を取っ手とした扉が現れた。

「みーつけた!」

 俺はそう言い扉を開けた。

 腕時計をチラッと見ると、残り2秒だった。

「あっ!」

 下から声が聞こえてくる。

 扉の中には、小さな少女がいた。白かったであろう服は血で赤くなっていた。

 俺はその少女(の遺体)を持ち、下に降りた。

「これが……正体」

 “少女”の遺体を見た琴美が言った。

「20年前の死体にしてはキレイだな」

 茂が言った。

 確かに、脇腹を刺されていること以外は普通である。腐ってもいない。


『あーあ。見つかっちゃったか』


 そういってどこからか“少女”が現れた。

 遺体と全く同じ、いや、傷口がないということ以外は全く同じだった。

「見つけたぜ。約束通り負けを認めろ」

 俺がそういうと“少女”は、

『約束? なんのことかしら』

 と言って上に上がってく。そして、

『私がせっかく閉じ込めてあげたのに、逃がすわけないでしょ。あなたたちもここの一員にしてあげる』

 と“少女”が言うと、周りの景色が歪んできた。

「いけない、空間が歪んでいる。このままだとここに閉じ込められて、出られなくなる」

 俺がそういうと、

「「うそっ」」

 と二人が言う。

 そうこうしている間にも空間は歪んでいき、とうとう闇の浸食が始まった。

「ヤバい。急がないと。ここが完全に闇に包まれたら、もうどうしようもできない」

 俺はそう言いながらも能力で脱出しようとしたが、何故か能力が発動しない。

 気づいたら闇はすぐそこまで迫ってきてる。

「(もうだめか……)」

 そう、諦めかけてた時、

「!」

 ポケットが輝いた。

 俺ら三人が驚いていると、“少女”が、

『この光はなに?』

 と言って戸惑っている。

 周りを見てみると、闇の浸食が止まっていた。

 なぜ闇の浸食が止まったのかも疑問だったが、今は、なぜポケットが光ってるのかが不思議だった。

 俺は思い切ってポケットの中に手を入れた。そして、中にあるものを掴んで取り出す。

「うっ」

 光がさらに強くなった。

 俺の手の中には、光り輝くセブンベルがあった。


☆最終話《八つ目、『七不思議』》 完


★次回予告:

この物語にはもう一話残っていた。

そして次回、倒したはずの七不思議が復活!?

真の最終回。次回、学校の七不思議?完結《笑顔で脱出……?》

うっすちっす木葉っす

いやぁ、俺が小説をここに投稿し始めてからだいぶ経ったけど、初めての完結っす!

と言っても昔の俺が既に完成させてた小説だし、しかもラストの話が書いてあるはずのノートだけ紛失して中途半端な終わりっすけどね

まあ一応「最終話」ってなってるので、これでもいいっすよね? よくない?


第一話のあとがきでほぼ修正なしで投稿する、って言ったっすけど、実は“呪いの鏡”と“少女”の口調はだいぶ修正したっす

しかも“少女”の方はその都合で話の流れも変わって、第七話の「★七不思議:」から琴美の「? なにこれ」のあたりまでほぼ書き直したっす

それでも何とか元の文章に沿えるように努力したっすけど


全然最後じゃない最終話は、特に修正しなかったすけど、展開が雑過ぎて正直修正したくなったっすね

特に進が“少女”の遺体を見つけるシーンとか、もう少し伏線なり状況説明なり欲しかったっすね。まあこれ、たぶん俺が書いた小説の三作目か四作目あたりなんで、雑でも仕方ないんすけど

それと、琴美が過去の事件について話した時、八人の子供が出てきたっすけど、たぶんあれその子供が七不思議になったんだと思うんすよ。で、そうだとすると、あと一人子供はどこへ消えてしまったんすかね……

そういえばこの「学校の七不思議?」のラストである話の後、その後日談というか次のシリーズを考えてたのを思い出したっす。確か名前は「都市伝説?」とかそんな感じ

きっと消えた子供云々はその辺で回収しようとか考えてたんじゃないっすかね。知らんけど

全ての真相は紛失したノートが見つからなければ闇の中。誰か俺のノート見かけたら教えてくれっす



さてさて、久々の投稿っしたが、無事に完結っす

ちょっと小説の書き方を忘れてたんで、そのリハビリになったと思えば、まあよし。だが他のシリーズの続きをいつ投稿するかは不明っす。なるべく早くできるように頑張るっす

それと、この「学校の七不思議?」のリメイクのようなものをいつか書きたいと思ってるっす。実は既にプロットは完成してるんすよ……1年くらい前に

でもまだ本編には手を付けていなくて、せっかくこうして元の方を投稿したんで、近いうちにリメイク版をかけたらいいなって、そう夢見てるっす

他のシリーズもあって実現は難しそうっすけど


もしリメイク版が完成したら、その時はまたよろしくするっす!

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