表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
学校の七不思議?  作者: 刃闇龍河
7/9

第七話

★あらすじ:

・花子さんをトイレに流す

・テケテケを壁に激突させる

・ガイコツを殴る

・呪いの鏡を割る

・二宮金次郎を次元の穴の中へ

・影を消滅させる


★七不思議:

・一つ目、『トイレの花子さん』

女子トイレに住んでいて、遭遇するとトイレの中に引きずり込まれる。

進の能力により、豆粒くらいの大きさにされトイレに流される。


・二つ目、『テケテケ』

物凄く足が速く、捕まると足を取られる。

進の能力により、壁に激突させられる。


・三つ目、『ガイコツ』

理科室の標本の一つで、捕まると肉を抉られ骨だけにされる。

進の能力により、肉を得た後殴られて砂になる。


・四つ目、『呪いの鏡』

常に鏡から鏡に移動していて、出会ってしまうと鏡の中に閉じ込められ入れ替わられる。

琴美と入れ替わるも進に見破られ、茂によって割られてしまう。


・五つ目、『二宮金次郎』

夜になると動き出し、グラウンドや町中を飛び跳ねる。

進の能力により、次元の穴へと落ちる。


・六つ目、『影』

人に憑りついて、その人を仲間に引きずり込む。

茂に憑りつくも、進の能力により消滅させられる。


・七つ目――


 第七話《少女》



「誰だ、どこにいる」

 俺は声の主を探しながら言う。


『さーて、どこだろうね。クスクス』


 その声は校舎全体に響いている。その声は女の人、いや、少女の声だった。

「くそっ。どこから聞こえてるのかまったくわかんねぇ」

 茂が周りを見渡しながら言っている。


『クスクスクス』


 少女の笑い声は途絶えることなく続いている。

「うーん」

 琴美の方を見ると、何やら考え事をしているようだ。

「どうした、琴美」

 俺が聞くと、

「いや、なんかこの少女? について聞いたことあるような気が……なんだっけ?」

 と琴美は答える。

 どうやらこの少女らしき声の主について何か知ってるようだ。

「学校……少女……んー? ……あっ!」

 急に琴美が何かを思い出したように声を上げる。

「何かわかったのか?」

 茂が琴美に聞く。

「うん。やっと思い出したよ。この声の正体は、七つ目……つまり最後の七不思議。『少女の霊』よ」

 琴美はうんうんと頷きながら言う。

 まあここにいることが出来る幽霊は七不思議だけだから、ひょっとしてとは思ってたけど。


『クスクスクス……。あらー、あなたは私のこと知ってたのね。そうよ、私が“最後の七不思議”よ』


 “少女”はそう言って笑うのを止める。

「それにしても、お前は一体どこにいるんだ」

 茂が聞くと“少女”は、


『さー? どこだろう、探してみれば? ……そうね、それがいいわ!』


 と答え、何かを思いついたようだ。


『あなたたちは私を倒したいのよね』


 “少女”は当たり前のことを聞いてくる。


『だったら、【ゲーム】をしましょう。あなたたちが勝ったら私は大人しく倒されてあげる。でも私が勝ったら……その時は死んでもらうわ』


 と“少女”が提案をする。

「ゲームか……。ま、どうせ参加しないとお前には会えないんだろ。だったら参加してやるよ」

 と俺は言う。

「俺も参加してやる」

「私も」

 茂と琴美も俺に続いていった。


『クスクス。よかったわ、とっても空気の読める子たちで』


 “少女”は少し上から目線で言う。

「それで、ゲームって何をするの?」

 琴美が聞いた。


『簡単よ。あなたたちには“かくれんぼ”をしてもらうわ』


 “少女”が言う。

「「かくれんぼ?」」

 俺ら三人は同時に言う。


『そう、“かくれんぼ”。鬼はあなたたち三人で、隠れるのは当然、私よ。範囲はこの校舎の中で……そうね、今から90分以内に私を見つけることが出来たらあなたたちの勝ちでいいわ』


 “少女”はそこでいったん区切り、


『もちろん見つけられなかったときはあなたたちの負け。死んでもらうわけだけど……今ならまだやめてもいいわよ』


 と、少し馬鹿にしたように言う。

「誰がやめるもんですか!」

 琴美が怒鳴って“少女”に言う。


『クスクス。それじゃあ、命を懸けた“かくれんぼ”を始めましょう!』


 “少女”がそういった瞬間、

「な、なんだ!?」

 急にどこからともなく大量の霊が現れ始めた。


『そうそう、言い忘れてたけど、ゲーム中は私が作った霊たちを放っておくわね。七不思議ほどじゃないけど、結構危ないわよ?』


 “少女”の言った通り、俺の能力【霊視】で霊たちを見てみれば、それなりに危険だとわかる。

「立ち止まってると霊たちに囲まれる。早く探しに行くぞ!」

 俺はそう言って“少女”を探すために動き出す。

「と、その前に。二人ともちょっと待って」

 俺は二人を呼び止め、能力で出した腕時計を渡した。

「? なにこれ」

 琴美が聞いてくる。

「それは俺が能力で出した、残りの時間を知らせてくれる時計さ」

 俺はそう言ってからもう一つ、ある物を渡した。

「それとこれを持っといて」

 琴美にはステッキ(よくアニメとかで見るやつ)、茂には剣を渡した。

「なにこれ」

 琴美がまた聞いてきた。

「何って、霊にも効く武器」

 俺がそう答えると、

「そうじゃなくて。茂は剣でまあ武器ってわかるけど、私のこのステッキはなに!?」

 琴美はそう言ってステッキで殴ってきた。

「ゴフッ。……なにって、ちゃんと、武器になってるじゃん。結構痛いぜ」

 俺はそう言いながら殴られた頭を押さえる。

「まあいいわ。一応使えるし」

 そういって琴美はステッキで素振りをしている。

「それじゃ、準備も整ったし出発するか」

 そういって俺は歩き出した。

 ――残り、87分。


☆第七話《少女》 完


★次回予告:

ついに七つ目の七不思議登場。

果たして進たちは最後の七不思議を倒し、学校から出れるのか。

そして七不思議の始まりが次回明らかに? 次回、学校の七不思議?最終話《八つ目、『七不思議』》

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ