第七話
★あらすじ:
・花子さんをトイレに流す
・テケテケを壁に激突させる
・ガイコツを殴る
・呪いの鏡を割る
・二宮金次郎を次元の穴の中へ
・影を消滅させる
★七不思議:
・一つ目、『トイレの花子さん』
女子トイレに住んでいて、遭遇するとトイレの中に引きずり込まれる。
進の能力により、豆粒くらいの大きさにされトイレに流される。
・二つ目、『テケテケ』
物凄く足が速く、捕まると足を取られる。
進の能力により、壁に激突させられる。
・三つ目、『ガイコツ』
理科室の標本の一つで、捕まると肉を抉られ骨だけにされる。
進の能力により、肉を得た後殴られて砂になる。
・四つ目、『呪いの鏡』
常に鏡から鏡に移動していて、出会ってしまうと鏡の中に閉じ込められ入れ替わられる。
琴美と入れ替わるも進に見破られ、茂によって割られてしまう。
・五つ目、『二宮金次郎』
夜になると動き出し、グラウンドや町中を飛び跳ねる。
進の能力により、次元の穴へと落ちる。
・六つ目、『影』
人に憑りついて、その人を仲間に引きずり込む。
茂に憑りつくも、進の能力により消滅させられる。
・七つ目――
第七話《少女》
「誰だ、どこにいる」
俺は声の主を探しながら言う。
『さーて、どこだろうね。クスクス』
その声は校舎全体に響いている。その声は女の人、いや、少女の声だった。
「くそっ。どこから聞こえてるのかまったくわかんねぇ」
茂が周りを見渡しながら言っている。
『クスクスクス』
少女の笑い声は途絶えることなく続いている。
「うーん」
琴美の方を見ると、何やら考え事をしているようだ。
「どうした、琴美」
俺が聞くと、
「いや、なんかこの少女? について聞いたことあるような気が……なんだっけ?」
と琴美は答える。
どうやらこの少女らしき声の主について何か知ってるようだ。
「学校……少女……んー? ……あっ!」
急に琴美が何かを思い出したように声を上げる。
「何かわかったのか?」
茂が琴美に聞く。
「うん。やっと思い出したよ。この声の正体は、七つ目……つまり最後の七不思議。『少女の霊』よ」
琴美はうんうんと頷きながら言う。
まあここにいることが出来る幽霊は七不思議だけだから、ひょっとしてとは思ってたけど。
『クスクスクス……。あらー、あなたは私のこと知ってたのね。そうよ、私が“最後の七不思議”よ』
“少女”はそう言って笑うのを止める。
「それにしても、お前は一体どこにいるんだ」
茂が聞くと“少女”は、
『さー? どこだろう、探してみれば? ……そうね、それがいいわ!』
と答え、何かを思いついたようだ。
『あなたたちは私を倒したいのよね』
“少女”は当たり前のことを聞いてくる。
『だったら、【ゲーム】をしましょう。あなたたちが勝ったら私は大人しく倒されてあげる。でも私が勝ったら……その時は死んでもらうわ』
と“少女”が提案をする。
「ゲームか……。ま、どうせ参加しないとお前には会えないんだろ。だったら参加してやるよ」
と俺は言う。
「俺も参加してやる」
「私も」
茂と琴美も俺に続いていった。
『クスクス。よかったわ、とっても空気の読める子たちで』
“少女”は少し上から目線で言う。
「それで、ゲームって何をするの?」
琴美が聞いた。
『簡単よ。あなたたちには“かくれんぼ”をしてもらうわ』
“少女”が言う。
「「かくれんぼ?」」
俺ら三人は同時に言う。
『そう、“かくれんぼ”。鬼はあなたたち三人で、隠れるのは当然、私よ。範囲はこの校舎の中で……そうね、今から90分以内に私を見つけることが出来たらあなたたちの勝ちでいいわ』
“少女”はそこでいったん区切り、
『もちろん見つけられなかったときはあなたたちの負け。死んでもらうわけだけど……今ならまだやめてもいいわよ』
と、少し馬鹿にしたように言う。
「誰がやめるもんですか!」
琴美が怒鳴って“少女”に言う。
『クスクス。それじゃあ、命を懸けた“かくれんぼ”を始めましょう!』
“少女”がそういった瞬間、
「な、なんだ!?」
急にどこからともなく大量の霊が現れ始めた。
『そうそう、言い忘れてたけど、ゲーム中は私が作った霊たちを放っておくわね。七不思議ほどじゃないけど、結構危ないわよ?』
“少女”の言った通り、俺の能力【霊視】で霊たちを見てみれば、それなりに危険だとわかる。
「立ち止まってると霊たちに囲まれる。早く探しに行くぞ!」
俺はそう言って“少女”を探すために動き出す。
「と、その前に。二人ともちょっと待って」
俺は二人を呼び止め、能力で出した腕時計を渡した。
「? なにこれ」
琴美が聞いてくる。
「それは俺が能力で出した、残りの時間を知らせてくれる時計さ」
俺はそう言ってからもう一つ、ある物を渡した。
「それとこれを持っといて」
琴美にはステッキ(よくアニメとかで見るやつ)、茂には剣を渡した。
「なにこれ」
琴美がまた聞いてきた。
「何って、霊にも効く武器」
俺がそう答えると、
「そうじゃなくて。茂は剣でまあ武器ってわかるけど、私のこのステッキはなに!?」
琴美はそう言ってステッキで殴ってきた。
「ゴフッ。……なにって、ちゃんと、武器になってるじゃん。結構痛いぜ」
俺はそう言いながら殴られた頭を押さえる。
「まあいいわ。一応使えるし」
そういって琴美はステッキで素振りをしている。
「それじゃ、準備も整ったし出発するか」
そういって俺は歩き出した。
――残り、87分。
☆第七話《少女》 完
★次回予告:
ついに七つ目の七不思議登場。
果たして進たちは最後の七不思議を倒し、学校から出れるのか。
そして七不思議の始まりが次回明らかに? 次回、学校の七不思議?最終話《八つ目、『七不思議』》