第三話
★あらすじ:
・花子さん流れる
・テケテケ粒子に
・肉食系ガイコツVS.進
第三話《琴美の過去》
[視点:琴美]
私がガイコツを苦手になった理由。それは……
~十二年前~
「パパ~」
この頃の私は、お父さんに甘えてばかりの子だった。
お父さんは道端に落ちているガラクタなどを拾って集めるのが趣味の、ちょっと変わった人だった。
でも私はそんなお父さんが大好きで、お父さんの拾ってくるものも好きだった。
けど、ある日お父さんはアレを拾って帰って来たのだ。今の私の苦手なガイコツを。
私だって最初からガイコツが苦手だったわけじゃない。最初は少し怖いな程度だったの。
そして、それを見て少しでも怖いと思っている私を安心させようとしたのか、その日からお父さんの「私にガイコツは怖くないよ計画(父の考えた名)」が始まったのだった。
最初はガイコツを近づけるとか、ガイコツを使った腹話術だけだった。でも次第にエスカレートしていき……。
ある日、友達の家から帰った私は、ご飯を食べお風呂に入った後、自分の部屋へと向かった。そして、そこで見た光景のせいで私のガイコツは“怖い”から“苦手”、最近じゃ“嫌い”にまでなった。
そこで見た光景とは、真っ暗な部屋の天井からガイコツがまるでてるてる坊主のように吊るされていた。それだけならよかったけど、吊るされているガイコツは勝手に動き(父が細工をしていた)私に向かって、
『ヤア、オカエリ、コトミ』
と、無機質な声で言われ、私はその場に倒れてしまった。
その後から、暗闇で人型の物を見るのが苦手になった。
ちなみにお父さんのせいで苦手なものがどんどん増えている。なのでここ一年父とは口をきいていない。
~現在~
「チッ」
「どうした、琴美。急に舌打ちなんかして」
「別に」
思い出したらイライラしてきた。
「あー、ムカつく」
私はムカついたので、目の前の空間に向かって拳を思いっきり突き出した。
その瞬間、さっきまで何もなかった空間に人が現れた。
「あ」
ガスッ ゴッ
いい音が鳴った。
[視点:進]
少し、ヤバいな。ガイコツの方が早すぎる。
「ふっ」
俺はギリギリのところでガイコツの攻撃を避ける。
「そろそろ疲れて来たな(作者も“ガイコツ”って単語を見るだけでもう嫌になってきます)」
また別の人の声が。
『肉~』
「うお」
あぶねー。このままじゃ……そうだ。
「そ~れ」
能力【設定を(以下略)
これでガイコツは、普通のガリガリに痩せた人になった。
「ほら、もう肉が付いたから襲ってこなくていいんだぞー」
『肉、にk……? あれ、ホントだ。肉がある」
ガイコツ(元)って普通に喋れたんだ。
「うひょー。やっふぅー」
いやー、嬉しそうでよかったよかった。それじゃ。
「ガイコツさん」
俺はガイコツ(元)を呼んで、
「はい、なんでしょガハッ」
顔面を思いっきり殴った。
ガタ ガチャン バキャ
ガイコツ(元)だったものは、いろんなものを巻き込んで倒れていった。
しばらくすると、ガイコツ(元)だったものの体が崩れ落ちていき、やがて砂になった。
全員が粒子になるわけじゃないんだな。
とりあえず俺は勝利を伝えるため、扉を開け、一歩踏み出した。
そして、思いっきり殴られて気を失った。
[視点:琴美]
「はぁー」
まさか急に進が出てくるんだもん。びっくりしちゃったよ。
起きたらちゃんと謝らないとね。
バシャッ
「プハッ。よし」
水で顔を洗い、気合を入れた。
「早く戻らないと」
私はそう言って水飲み場から去ろうとしたとき、
「えっ」
水飲み場にあった鏡から手が伸びてきて、私は鏡の中へと引きずり込まれた。
☆第三話《琴美の過去》 完
★次回予告:
琴美の過去の話。題名にもしたのに、いつもとあまり変わらない内容。
ガイコツを倒した進たち。しかし琴美が鏡の中へ引きずり込まれてしまう。
琴美の運命は!? 次回、学校の七不思議?第四話《呪いの鏡(前)》