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第6話 世界一大きな巨大プリンを作る!

どうせデカプリンなら、世界一大きなプリンをつくろうと考えたラファエロ。


ドーガ「おい、つくるのはいいが、それだけ大きなプリンをつくるだけの材料は、この村にあるのか?」


そりゃそうだ、市販のプリンだったら、それこそいくつ分になるだろう。


並盛じゃとても足りない。大盛、特盛、メガ盛の何個分だ?


そもそもどのくらいの大きさなのかというところから調べなければならないが、そんなことに時間と労力を費やしていいものか…。


単純にわかりやすく計算すると、どうやら30人分くらいの大きさになるようだ。


となると、メガ盛プリンの30個分ということになる。間違いなく世界一大きなプリンとして認定されるぞ。


とは言ってみたものの、実際にこれが世界一大きなプリンだと認定してくれるのは、誰なのか。


世界一大きな大国か?


いや、今この世界で世界一の大国といえば、あのアーサトゥアル帝国だ。


次に、巨大プリンを入れる容器は?入れ物は?


それ以前に、こんな巨大プリンを作るための調理器具なんかはどうする?


焼くなり、蒸すなりするなら、そのための方法は?


などなど、問題いっぱいありすぎて、現状ではとても実現などさせられないようだ。


そんなもん作っているんだったら、アーサトゥアル帝国軍の攻撃から村を守るための城壁でも作れ!と思われるだろう。


ドーガ「なるほどな。そりゃあ、巨大プリンよりも村を守る城壁でも作った方がいいってことだ。」


ドーガは、まあそう言うだろうな、と思った通りのことを口にした。


だけどキキララは、それでも、いつかは世界一大きな巨大プリンが完成するものと、信じていた。


キキララ「いつか、平和になったら世界一大きな巨大プリン、作ろうよ。

世界一大きなプリンに認定されて、なおかつそれが平和になった時代の象徴になるなんて、すごいことじゃない。」


材料集めるにも、調理器具とか巨大な入れ物とか揃えるにも、常にアーサトゥアル帝国の脅威がついてまわる。


アーサトゥアル帝国は、既に敵対する各国を、ことごとく攻め滅ぼし、あるいは、支配下においていた。


仕方なくアーサトゥアル帝国に味方する国、一方で、積極的にアーサトゥアル帝国と同盟を結ぼうとする国まであった。


ジャパネスク王国などの国々は既に攻め滅ぼされ、まだ支配下に置かれていないのは、辺境地域にあるいくつかの国や、町、村だけとなっていた。


この農村も、そんな辺境地域の村の一つで、長らく帝国の侵略を防いできたというか、


むしろ侵略するほどの価値を見いだしていなかったから、かろうじてしのいできた、というのが正解か。


この農村で、飲食店とスイーツ店をやって、農業とか畜産でもやりながら、


のんびり気ままにスローライフを送りたかったのに、


あわよくば、世界一大きな巨大プリンをつくって、この農村の名物として自慢したかったのに、


それを邪魔しにくるのが、他でもない、あのアーサトゥアル帝国だ。


そして、この農村の周辺でも、アーサトゥアル帝国の偵察兵たちが、うろつくようになっていた。


おそらくこの偵察兵たちによって、俺らの動向は逐一、あの方面軍の将軍、ムッシー・ド・ハルゼーに伝わっているんだろうな…。


「もちろん、アーサトゥアル帝国に抵抗する国もありますよ。

カレーラス王国のミミ王女なども、レジスタンスの1人として軍勢を率いているんですよ。」


住民の女性が言った。


カレーラス王国のミミ王女か…。これは興味深い情報を入手したな…。


もしかしたら、世界一大きな巨大プリンをつくれる調理器具とか、オーブンとか、その焼き上がった巨大プリンを入れる容器とかも、ミミ王女なら用意してくれるかも…。


って、俺はいきなり何を言っているんだ!?ミミ王女にはまだ会ったこともないというのに…。


あるいは、ミミ王女は実は魔法使いで、農村の周囲の山を、全部プリンの山に変えられるような、そんな能力を持っているとか…。


とにもかくにも、妄想はふくらむばかりだ…。


とにかく、今日のところはもう疲れたので、プリンの夢でも見ながら寝ることにしよう…。


食事を済ませて風呂に入り、歯を磨いてから、ベッドに入り、目を閉じると、あっという間に眠りに入り、夢の中。




そして、翌朝起きてみたが、特に何も変わらないままだった。


「この農村からカレーラス王国に行くための直行便はありません。

ただ、この近くの城を治めるスコット様なら、何かご存知かと。

あるいはスコット様の領地からなら、カレーラス王国への直行便もあるかもしれませんね。

スコット様と、カレーラス王国のミミ王女とは、旧知の仲ですから。」


またまた、住民の女性が教えてくれた。


それにしても、この女性もいろんなことを教えてくれて、親切だなあ…。


てか、この農村には親切な人が多いようだ。




スコット領


この農村から最も近くにある、辺境地域一帯を治める城主スコットの居城と城下町、それと港町があり、港町からは各地への直行便となる船が出ている。


とまあ、こんなところだな。


まずはスコット領まで、行ってみることにしよう…。



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