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僕とカフェダムールの喫茶店生活  作者: 兵郎
十一章 みんなでおばあちゃん家に行こう
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九十八話 みんなでおばあちゃん家に行こう⑫海編



「海に……………きたーーーー!」


すももさんが浜辺で身体を広げて絶叫する。俺は次の日みんなで海に来たんだ。


「これがにっぽんの海………」


シャロンが初めて近くで見た日本の海に見蕩れる。


「海なんて滅多に行かないけどなんかテンション上がるな」


りんごが気分を高揚させる。


「うーん、人がいなかったら絵か詩になりそうなんだけど」


清さんが顎に手を当て唸る。


「なんてこと言うのよ。まああたしの家のプライベートビーチに行けば用意出来るけど」


アリアさんがあきれながら言う。


「海なんて毎年行ってるけどこんな大人数で行くなんて初めてね」


アリエが感慨深く言う。


「どうだ、たまにはこういうのもいいだろ?」


俺はアリエに言った。


「どうせなら葉月と二人だけで行きたかったけど」


それを言われると何も言えんな。


「とにかく、遊ぶか」


父さんがグラサンに大きな丸い浮き輪、イルカやイカダ型の浮き輪を持って言う。


「うん」


俺は力強く頷く。俺の目にもグラサン、そして肩にはバナナ浮き輪だ。


「あんた達、すごい大荷物ね………」


アリエが呆気に取られる。


「すごーい!海のおもちゃがいっぱいだよー!」


すももさんも大はしゃぎだ。


「みんなの分もあるから持っていきなさい」


「はーい」


というわけで俺達は思い思いの浮き輪を持って海に繰り出した。



俺はバナナボートに揺られている、近くにはアリエが白い水玉の丸浮き輪で浮いていた。


「お前がそれ選ぶなんて意外だな、もう少し派手なの選ぶと思ったんだが」


俺はアリエに言う。


「あたしをなんだと思ってるのよ、別に海にまで来て派手好きアピールしたいわけじゃないわよ」


不機嫌な返事が返ってくる。


「わりいわりい。ていうかそれ言ったら俺のが派手になるな」


なにしろ俺が今乗ってるはバナナボートだ。


「まさかあんたがそんなに海好きだとは思わなかったわ」


「子供の心を忘れないピュアなやつなんだよ俺は」


「自分で言うそれぇ?」


「きゃっ!」


サメ型の派手な浮き輪を持ったすももさんがアリエに海水を浴びせてきた。


「ちょっと、なにすんのよ!」


アリエが怒ってすももさんを追いかける。


「わー、怒った怒ったー」


それに対してなぜかすももさんは楽しそうに逃げていく。


「どうなってんだ?」


「きっと姉貴なりの挑発なんじゃないか?葉月は自分のだからアリエには渡さないってね」


りんごが言う。さっきまで彼女はシャロンとりんご型のボールでバレーのトスをしていた。


「なんて回りくどい 」


「女てのはそういうもんなんだよ」

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