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僕とカフェダムールの喫茶店生活  作者: 兵郎
十一章 みんなでおばあちゃん家に行こう
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九十三話 みんなでおばあちゃん家に行こう⑦(すもものいぬ間にすももの好きな人の話)



「それよりも………お兄ちゃん、アリエがいるんだから他の誘惑に釣られないようにね」


みかんが妙なことを言った。


「なに言ってんだよ、そんなのあるわけないだろ」


「だといいけど。アリエも、泥棒猫なんかにお兄ちゃん取られないようにね」


今度はアリエにも注意を促す。


「はあ?あたしがそんな未熟な女に見える?歳はまだまだだけど女としてはじゅーぶっん、魅力的なんだから!」


アリエが怒って反論する。


「でもあーれは、随分強敵だと思うけど?」


みかんは何か含みのある言い方をした。


「どういうこと?」


「お前、何か知ってるな?」


みかんは口では答えず部屋の外を指さす。ん、外?台所ではばあちゃんと母さんが食器洗ってるから違うし、他にいるとしたら………。


「すももさん?」


みかんが頷く。


「なんであの人が?あの人が葉月を狙ってるっていうの!?」


みかんが困惑に声を荒らげる。


「あたしが見た限りあんま表には出さないけどお兄ちゃんのこと意識してるっていうかチラチラ見てるっていうか………」


みかんが煮え切らない態度で言う。どうやら確証はないらしい。


「でも、本当のことよ」


アリアさんが会話に割り込んできた。


「え?本当ってどういうことです?何か知ってるんですか?」


俺は困惑してアリアさんに尋ねる。


「りんごが言ってた、あいつはまだあんたのこと諦めてないってこと。多分それ、わたしは本当だと思う」


まだ………か、てっきり俺がアリエと付き合うのなんともないと思ってるのと思ったけど違うのか、どうも複雑な気分だな。


「あいつって誰です?」


「もしかして、恋バナかしら?」


シャロンと清さんも会話に参加してきた。


「すももさんが俺のことを好きって話」


俺は二人に説明した。


「お前ら三角関係だったのか………」


父さんが驚いて言う。


「俺も初めて聞いたよ」


俺は口をへの字にして両手を肩の横で広げた。


「ハヅキは、スモモのことどう思ってるんです?」


シャロンが言う。


「好きたけど女の人に対する好きとは違うな、あくまで友達として好きて感じ?」


「スモモは、いい人ですか?」


「ああ」


「優しい人ですか?」


「そうだな、優しいと思うよ」


「葉月………」


アリエが不安な顔で俺を見る。


「大丈夫だよ、俺はアリエから離れたりしないよ」


俺はアリエの頭に手を置いて励ました。


「そう、よかった………」


アリエも安心したように目を細める。


「すももちゃん、葉月くんじゃなくてわたしのことを好きになればいいのに。そうすればウィン・ウィンの関係なのだけれど」


清さんが頬に手を当てて言う。みんなの前で平然とレズ宣言とかとんでもないな。

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