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五百八十七話
「なになにぃ?デートしたくないんだってぇ?」
みかんは俺の調子など構わず続ける。
「しばらくな」
「お兄ちゃんなんか変、喧嘩してるから?」
そこでようやくみかんは俺の様子に気づく。
「まあ、それもあるけど今はデートとかするわけにはいかないんだよ」
俺は胸の苦しみを話した。
「なんかあったっけ」
みかんはさっぱり見当がない。
「はあ…………」
俺はどうにも疲れてしまう。
「受験だよ受験、受験あるのに呑気にデートとかしてるわけにはいかないだろ」
「ふーん、まっじめー」
理由を話したのにまたみかんはからかってきた。
「るせー、これでもイラついてんだよ」
「まあ、真面目な話ー。あんまり我慢してると勉強にさしつかえそうなんだよねー。たまには行ってあげたら?」
俺が悪態をつくとちゃんとした答えが来た。
「考えとく」




