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五百八十五話 葉月はデートの誘いに乗らない
「ねえ葉月、今度の休みなんだけどどこに行く?」
八月を過ぎたのカフェダムール、アリエが言った。
「行かねえよ。お前とやぶさかじゃねえけど行かねえよ」
俺は眉を潜めた。
「珍しいな、お前がアリエの誘いを断るなんて滅多にないぞ」
りんごが驚いたように言う。
「そうよ、あたしの誘い断るなんてどうかしてるわよ」
アリエは不機嫌になってしまった。それを見ると心苦しいが今は我慢するしかない。
「ああ、どうかしてるよ。悪いな」
「ちょっと、どういうつもりよ」
自分の言葉を肯定されアリエは不機嫌どころか驚いてしまう。
「葉月くんはね、今大事な時期なの。だから一緒にいられないかもしれないけど、ごめんね」
すももさんがぼんやりとだか説明した。
「もしかして…………」
「なるほど、マリッジブルーならぬカレッジブルーですね!」
アリエより先にシャロンが結論が言ってしまう。
「いや、でもその言い方は違くね?似てるけど違うような」
俺は指摘しようとして脱力してしまう。




