五百八十三話 星宝家の風呂
夕飯も終わり俺は風呂に入っている。自分家でもなく別荘で誰かと一緒にでもなく普段から使われてる家の他人の風呂に入るというのは緊張するものだ。
どうも落ち着かん。いや、風呂というのは本来落ち着くところなのだが他人の風呂というのは入ってもお湯に使っても落ち着かない。
しかもここは広い、星宝家の別荘ほどではないが俺のアパートより二、三倍くらい広い。そこに一人でいる、余計に緊張してしまう。
「お兄ちゃん一緒に入ろー」
そこへバン!と浴槽の扉が開けられみかんが一糸まとわず現れる。
「入らねえよ!場所を考えろよ、流石に彼女の家で妹と風呂に入るやつがいるかよ!」
まさかのことをしでかすみかんに俺は声を上げた。
「えー、アリエの家族に兄妹の仲の良さをアピールするチャンスなのに」
みかんは口をすぼめて落胆する。
「あー、あとアリエがキレるぞそんなことしたら。あいつがいるのにお前と入るってのもナンセンスだ」
俺は重ねて理由を説明した。
「それはやばいかも。ごめんお兄ちゃん」
立ち去るみかんは笑ってるように見えたが気のせいか?




