五百七十六話 アリエの部屋③
アリエには最初嫌がられたが俺は恋愛漫画をパラパラとめくっていた。アリエは呆れていたが普段見ないだけにどうも気になってしまうのだ。
その漫画は主人公が高校生で憧れの先輩に近づくため彼と同じテニス部に入るところから始まる。女子と男子とでは一緒にいる時間もあるがコートは別々で話す機会などほとんどないがなぜか主人公はテニス部に入っている。そこで気づいた。
「え、これスポ根じゃね?」
「まあね、だからネットでは男子にも人気があるのよ」
アリエが答える。
「そういうのもあるのか」
俺は関心しながらページを進ませる。スポ根話の合間にちゃんと相手役?の先輩が出てくる。イケメンらしく仲間のサポートをしたり女子に話しかけられたりしている。だが主人公は中々話しかけらずに苦戦していた。あれ、話進まなくね?
一巻読み終えるがやっと主人公が相手役に話しかけて終わった。
「え、もう終わりかよ」
その意はやっぱり話進んでないなということだ。
「恋愛漫画てそういうものよ。それより、あんた今日うちに泊まってかない?」
アリエは答えると別の質問をしてきた。




