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僕とカフェダムールの喫茶店生活  作者: 兵郎
十九章 三年生編
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五百六十六話 アリエの両親登場③



「ところで、二人は将来結婚とかするのかしら」


と思ってるとキャシーさんが聞いてきた。


「はあ!?けけけけ結婚とか早いわよ!なに言ってんの!?」


アリエは凄まじく動揺した。


「そうですよ。アリエだってこんなんですしまあ大好きだからいずれは結婚とかしたいなぁて思ってるんですけど」


俺の断り方もちょっと慌てた感じになってしまった。


「あらまあ、それは嬉しいわね。あー、孫の顔が早く見たいわ」


キャシーさんはとても満足そうに答える。いずれと言ってるのにもう孫の話か。


「聞いてたお母さん!?早いって言ってるでしょ!?なんでそういう話になってるのよ!」


アリエもパニックになり否定する。


「えー、この子結婚するって言ってるじゃなーい。孫もいつかは生まれるのよー」


キャシーさんは構わず続けた。


連次郎さんの方を見ると大分複雑な顔をしていた。結婚とか孫とか以前に内の娘はやらんと言いそうな顔だな。でも口に出さないところを見ると奥さんには甘いのだろう。


「言っとくが学生結婚は許さんからな」


「は、はい………」


やらんとは言わないが厳しい目で言ってきた。あれ、さっきと雰囲気が違う。娘のいるお父さんてのは時折恐いんだな。


「将来と言えば葉月くんにはあたしの会社を手伝ってもらおうと思うんだけどどうだい?」


祥子さんがいつぞやの質問を息子夫婦の前でしてきた。


「そうですね…………大学とかもありますしもう少し後でもいいかなって思うんですよね。それに、もう少し喫茶店で働きたいなーなんて、ははは」


駄目だ、声が震えて上手く言えない。


「あんた、今の店好きかい?」


今の店と言えばカフェダムールだ。自分の経営する店とライバルを好きかと問われて肯定していいのか?


いや、さりとて嘘はよくない。つきたくない。俺はあそこに育てられたようなもんだ。すももさんに会って絹江さんに会って、りんごに会って、シャロンに会って、だからアリエとも再会出来た。いろんなやつも来た。だから答えは一つだ。


「はい、とっても」


「そうかい。ならその時間を大事にするんだね」


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