五百六十四話 アリエの両親登場
「では、行きましょうか」
薫子さんに案内され俺たちは進む。行く、とは当然アリエのお父さんとお母さんのところだろう。お祖母さんの祥子さんとは会ったことはあるが両親とは初めてだ。
「ちょっと、大丈夫お兄ちゃん?顔、硬いよ」
みかんが俺を心配してくる。
「どうにかなる、どうにかはなるよ」
とか言いながら俺の声はゆっくりとしていた。
「別に取って食うわけじゃないわよ。それにそんなことしたらあたしが黙ってないわ」
「ありがと、助かった」
アリエに言われようやく心臓の鼓動も落ち着いた。
俺はリビングにて優しそうな顔の黒い頭のお父さんとおっとりした金髪蒼眼のお母さんと祥子さんと対面した。なるほど、アリエの姿はお母さん譲りか。
「君が葉月くんか。娘からよく聞いてるよ」
「それはどうも………」
お父さんは連次郎と名乗り右手を出して来た。俺は緊張しながらその手を取った。やべえ、彼女の父親との初対面なのに汗とかかいてねえかな。
「わたしキャシー、アリエとアリアの母でーす!よろしくでーす!んっ、んーまっ」
一方、お母さんの方は両手で俺の手を取るとすぐ離してハグしてきた。さらに頬には熱いキスだ。
あまりの熱さに口が開いて塞がらない。胸もアリエよりでかいし唇も色っぽい。この熱さ、流石欧米だ!




