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五百五十八話 星宝家へはリムジンで②
冷蔵庫に入ってる缶コーヒーをちびちび飲みながら外の景色を眺める。
住宅街を抜け家屋がまばらになる。
「やっぱ金持ちの家てなると田舎なんだな」
俺は呟くようにアリエに言った。
「家が大きいから土地がないのよ」
「へー、やっぱお金持ちて豪邸のお家なんだ」
その返答はみかんを関心させた。
しかし送り迎えがあるとはいえこんな遠くからアリエが俺に会いに来てくれると思うと世話をかけてると感じる。
「なによ」
自然と彼女を見つめ、それを彼女を気にしてきた。
「いやなに、いつも遠くからすまないなって思っただけだ」
「いいわよそれくらい。あんたのためだもの。このくらいの距離大したことないわよ」
アリエはさも当然と答えた。そう言ってくれると気分も悪くない。
しかしよく見るとこの通り、どこも似たようなサイズの土地と家ばかりだ。金持ちというより昔も昔、江戸時代辺りから住んでそうな形の大きさである。つまりどこもそれなりに大きい。
その中の一つにこの車は入っていく。




