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五百五十四話 アリエ自宅への誘い②
「すー、はー」
俺は思わず深呼吸した。
すっごい緊張してきたー。心臓バクバク鳴ってるわー。
「ちょっと大丈夫?!顔青いけど」
アリエが俺を心配してくる。
「大丈夫、ちょっと緊張してるだけだ」
俺は震えながら言った。
「おやおやぁ?葉月くんは女の子のお部屋に行くのが初めてなのかなあ?」
すももさんがからかうように言った。
「初めてではないだろう。前に姉貴の部屋入れたじゃないか」
「なに、それ…………」
りんごが指摘するとアリエの顔がぎこちなくなる。目の奥がどことなく恐い。
「ああ!前に制服を作った時のことですね!」
シャロンが当時を思い出した。
「制服てそれ?」
アリエは俺の服を指した。ちょっと小洒落てた喫茶店員にはぴったりの衣装だ。
俺は自分のを指した後すももさんのを示した。
「いいかも」
アリエは頬を染めた。およ、制服に興味を示したか?




