五百五十一話 夕飯はバーベキュー④
「いやー、こんな大人数でバーベキューなんて初めてだぜ」
新井が肉を食べながら言った。
「駄目だよ一希くん、野菜もちゃんと食べなきゃ」
すももさんが彼の皿に野菜を乗せる。
「尻に敷かれてるねえ」
山崎がその光景を見て言った。
「またこのメンバーでやれたらいいんだけど」
飯山はそんなセンチメンタルな言葉を出した。
「なにを言ってるんだ、出来るに決まってるだろ」
りんごはありえないと口にした。
「だって、大学とか専門学校とか進学したら引っ越すやつもいるじゃん。そしたら離れ離れじゃん」
山崎が懸念を話した。そうだな、俺もいつかはそうなんじゃないかと思ってたんだよ。俺以外に同じこと考えるやつもいてもおかしくはねえか。
「それは正しい。けど最初の疑問に関しては間違いだよ。なにしろ今は夏休み、進学しようがしまいがそれくらいの時間はあるさ」
マイクがその心配はないと補足してくれた。
ふっ、俺も聞いていて顔がニヤけてしまった。
「臭いんだよお前…………」
そしてマイクの肩に手を置いて言葉にならない笑みを出した。
「そういう君は気持ち悪いよ」
マイクも笑みと共に返した。
「お前、いつもお気楽だけど今日からはそのお気楽に助けらそうだよ」
新井が反対側の肩に手を置いて笑った。




