五百四十六話アリエはまだ泳げない
「ごめんなアリエ、俺が変に誤魔化さないでお前は泳ぎが苦手だって言ってやれば良かったよ」
俺は彼女に謝った。
「そういえばそうだったわ。忘れててごめんなさい、わたしも止めれば良かったのに」
アリアさんも一緒に言った。
「え、いや…………て、あたしが泳ぎ苦手なわけないでしょ!たまたまつっただけのになに言ってんの!」
アリエは顔を赤くしたと思ったらさらに赤くして激昂してきた。
「す、すまん。そうだったな」
俺はまた謝った。
「そうね、余計なことだったわね」
アリアさんの方は呆れていた。実際痩せ我慢なので当然だ。最近も俺はアリエと二人でプールに行っているが激しい泳ぎはあまりしない。
「えー、アリエちゃんて泳ぎ苦手だったのー?だっさー」
みかんが怪しい笑みで馬鹿にした。
「うるさいわね!あんたには関係ないでしょ!」
「えー、でも聞いちゃったし見ちゃったしー?!」
アリエが怒るがみかんは意に返さず馬鹿にし続ける。
流石に我が妹ながらイラッと来て俺はみかんの頭にチョップしてやった。
「いったー、お兄ちゃんひどーい。いきなりなにすんのー」
「お前はこいつが俺の彼女だということを忘れてるぞ」
「う、ごめんお兄ちゃん」
「それはこいつに言えよ」
「ごめんなさいアリエ、ちょっと言いすぎた」
みかんもアリエに謝った。
「まあ、いいわ」




