五百四十五話足を痛めたアリエ
「足ねえ、こう?」
「あだだだだ!なにすんのよ!」
アリエが悲鳴を上げた。みかんがアリエの足をぐいっと押したのだ。
「だから足が痺れたんでしょ」
みかんはなんとなしに答える。
「そうだけど足首も痺れてるんだけど」
「はいはい、足首ね」
アリエが注文を付けるとみかんはそこに手を伸ばした。ツボのようにぐいっとまた押す。
「あだだだだ!ちょっと痛いじゃない、加減とか出来ないの?」
またアリエは悲鳴を上げて抗議する。
「出来ないわよ、したら痺れ飛ばないし」
「うー、確かに痺れなくなったけどー」
みかんが言うがアリエは釈然としない。
「でも、これじゃあ遊べないね」
梨子ちゃんが残念そうに言った。
「はあ?なに言ってるのよ、まだ遊ぶわよ。時間だってあるんだから」
だがアリエは聞く気がない。
「えっと、太ももは大丈夫かな」
その間にみかんは別の箇所に手を伸ばす。
「あだだだだ!もういいわよそれは!十分楽になったわよ」
何度目かになる可愛くない悲鳴と共にアリエが言った。
「はーい」
「あなたこそなに言ってるのよ、そんな足でやれるわけないじゃない」
アリアさんはアリエに注意した。




