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五百三十七話
俺の家の墓参りも終わりみんなで海に来ていた。別荘にはプライベートビーチはあるがそこで遊んでもつまらないとすももさんが言ったことで他の人たちも一般の海水浴場がいいと言ったのだ。
「待たせたわね」
なぜか女性陣の中でアリエが遅い着替えだった。それはあまり彼女が着ない白いビキニだった。そして少し恥ずかしそうにもじもじしていた。
「どした?」
「いいから褒めてあげなさいよ」
新井やすももさんが囃してくる。
「あ、ああ」
俺は改めて彼女を見る。無駄の装飾のないビキニはいつになく大人っぽい姿だ。
「お前、そういうのはもう少し大人になってから着た方がいいぞ?」
俺は精一杯の言葉を振り出した。
「はあ?!あたしが子供っぽいとでも言うの?」
アリエは不機嫌になってしまう。しまった、チョイスする言葉を間違えたか。
「いや、なんつうか………それって大人が着るようなやつだろ?そんなの、そんなの着たら…………襲いたくなるだろ!」
俺はなんとか内なる野生を言葉にした。




