530/594
五百二十九話 アリエの別荘行き二年目18
「あ、お兄ちゃんこんなところにいたんだ。だめだよ迷子になっちゃー」
「そうそう、探すのが大変なんだから」
みかんと梨子ちゃんが現れ言った。みかんは相も変わらず俺とおそろいのパジャマのレディース、梨子ちゃんは女の子らしくワンピース型のパジャマだった。
「迷子じゃねえよ。あの部屋で一人じゃ寂しいからこいつらとつるんでただけだよ」
「お兄ちゃん寂しかったのー?なんだ、あたしが早く上がってくれば良かったなあ」
俺が理由を言うとみかんがまたからかってきた。
「こいつにはあたしがいるからいいの、あんたは妹でも離れてなさい」
アリエが俺の腕を取って宣言した。彼女がわがまま気味で安心するな。
「だからそういうのは部屋戻ってからにしろ」
りんごが俺たちを見てまた頭を抱えた。
「あらあら、みんな楽しそうねぇ」
「だったらわたし達も早く行きましょう」
最後に現れたのは清さんと夕ちゃんだ。柄と色は違うものの二人とも和服というのは同じだ。




