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五百二十六話 アリエの別荘行き二年目⑮
「あ、いたいた!やっぱりここなんだ!みんなここだよー!」
しばらくするとパジャマ代わりのスウェットパーカーを着たすももさんが俺たちを見つけ他の連中を呼んだ。
「すももさん?」
「え、すももさん!?」
俺が彼女に気づくと新井が立ち上がり動揺する。
「やれやれ、君はまったくわかりやすいね」
そんな彼を見てマイクが肩の横で手を広げた。
「う、ううううるせえ!俺はビビってなんかねえ!」
「声が震えてんぞ」
新井が言うと俺は笑いながら言い返してやった。
「これは武者震いだ!」
「武者震いて何と戦うんだい」
誤魔化すとマイクが疑問を出した。これには新井もそれは………と言葉を濁した。
うわー、見てるだけで心臓がバックバック鳴ってるのが分かる顔だな。




