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五百二十二話 アリエの別荘行き二年目⑪(男同士の恋バナ)
「というとー、君もやることはやってるてことだね」
「てことはだよ。お前、もう童貞卒業しちゃってるてわけ?」
マイクが関心を口にすると新井はそれを具体的に言った。冷静なマイクと反対に新井の声は震えていた。
「そんな話じゃねえよ。たまに一緒に風呂入ってるだけだから」
俺も新井の返答にはびっくりして答える。
「なんだよ、びっくりさせんなよー」
「マイクが意味深なこと言うからだよ」
マイクが悲鳴のような声を出すと俺は言ってやった。
「すまない、てっきり君はそこまで行ってるのかと思ってね」
マイクは肩をすくめた。
「俺のせいか。わりぃな、期待させたみたいで」
「あ、いやー、気にすんなよ。友達が先に行き過ぎてなくて安心したしな」
新井が気の抜けたように笑った。
「僕としては君たちの半端な関係に少々歯がゆくなったけどね」
「余計なお世話だよ」
マイクの軽い嫌みに俺は眉を潜めた。
俺は二人に謝る




