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五百十一話
「邪魔ねえ。じゃあ、邪魔しなきゃ一緒にいてもいいんだよね?」
みかんは言質を取ったように言った。
「まあ………そうだけど……」
アリエは強く否定できない。
「うん、嫌なら別に行かなくてもいいんだけど?」
「なんかそう言われると連れてった方が良さそうね」
梨子ちゃんに言われるとアリエの意見は否定から肯定に変わる。
「無理しなくていいって言ってるのに」
「連れてくわよ、あんたはまだ連れて行ったことないし」
二度遠慮されるとアリエは梨子ちゃんの別荘行きを承諾した。
「ま、俺はどっちでもいいけどな」
俺はそれを聞きながらぼそりと言った。
「やったあ!アリエ大好きぃ!」
「なんであんたが抱きつくのよ、まあいいけど」
みかんに抱きつかれアリエが言った。
「ふふ、可愛い子」
その様子に梨子ちゃんが微笑んだ。




