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五百十話
「冗談はさておき今回は二人だけで行かせてあげるね」
「ああ、どうも」
すももさんがウインクするが先ほどのとんでもない冗談の数々のせいで返事が鈍くなってしまう。
「みかんには悪いけど他のやつも置いてくわよ」
しばらくしてみかんと梨子ちゃんもやってきた。注文を言って席に座るとみかんから言った。
「ねえねえ、ほんとに今年は他の人連れてかないのー?」
「えっと、あたし達も連れてって欲しいなーなんて」
梨子ちゃんは可愛さをアピールするような声で言った。
「駄目よ、さっきこいつらと話してそれはやらないことにしたの」
だがアリエの答えは決まっている。
「やっぱりだめよ、アリエちゃんは彼氏さんと二人きりになりたいの。あたし達が行ったら邪魔になっちゃうわ」
梨子ちゃんはこの答えを分かっていたように続けた。




