五百五話葉月とアリエのお風呂事情 夏編
七月の終わり、俺はたまにやるようにアリエと風呂に入っていた。
「相変わらずお前はスベスベだなー」
俺は湯船でアリエの顔を撫でた。
「ちょっと、恥ずかしいじゃない」
「えー、可愛いからいいじゃん」
アリエは恥ずかしがって俺の手をどける。俺は顔から腹に手の位置を変える。
「お腹はぷにぷにしていいなぁ」
「ちょっとまたそんな………」
アリエが悶える。二人のスキンシップではいつものことだ。うん、本当に柔らかくていい。ん?何か違和感がある。
「な、なによ?」
アリエも俺の動きが止まったことに気づく。さっきまでの揉むようなタッチから優しいタッチに変えてからまた揉むように触る。
「だからどうしたのよ?」
無言で触る俺にアリエが聞く。まあ疑問符はさらに増えるだろう。
「お前、太った?」
俺は結論を言ってやった。お腹がいつもより、というか触る度に若干膨らんでるのだ。
「はあ?!女の子相手になんてこと言ってんのよ!太ってるわけないじゃない?!」
アリエが怒って抗議する。至近距離な上風呂だからすごい響く。
「お前、この間測った時体重いくつだ?」
俺は分かりやすい問いを出した。
「えっと…………て、なに言わせるのよ馬鹿!」
アリエは顔を真っ赤にして目を横に振ると立ち上がって言った。
「わ、わりぃ。言いすぎた」
俺はアリエに謝った。
「もういい、出る!」
そのまま彼女は風呂場を出てしまった。




