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五百二話 すももと新井の遊園地、葉月達の観察④
「わぁぁぁぁぁぁ!」
「いやっほぉぉぉぉ!」
ジェットコースターにて一希の悲鳴がとすももの歓声が響いた。両者は大きな声を出しているが片や恐怖、片や喜びから出ていた。
「あれー、あの子達どこ行ったんだろ。もっかい行こっか」
葉月達を見つけられなかったすももはそう言った。
「え、ええ………」
恐い思いをしたのにまた乗るのかと一希は震えた。
「わぁぁぁぁぁん!」
「いえぇぇぇぇい!」
悲鳴と歓声がまた響いた。いや、もう鳴き声と雄叫びだ。連続二度目にして凄まじい落差である。
そしてまたもやすももは葉月達を見つけられず三度目の声が響き渡った。
「お、おおお、おーー!」
「あ、待って、待って、いやー!」
一希は後ろから聞き覚えのある声を感じた。
ジェットコースターから降りると一希はもう恐怖に擦り切れてフラフラになっていた。
「うーん、あっちにいたような………」
「いたんすか!」
すももが思案すると一希はフラフラな身体をなんとなシャキッとさせる。




