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四百九十二話 かき氷とアリエ
冷たく言うりんごをすももさんがからかった。
しばらくしてアリエが入って来る。
「かき氷やってるって言うから来てやったわ」
「お、ありがとな。なに食う?」
俺は彼女を出迎えて言った。
「メニュー選びとかめんどくさい、おすすめは?」
「ふむ、お前なら………レモンだな」
アリエはメニュー表に書かれた文字列にうんざりして聞くと俺が答えた。
「その心は?」
「髪の毛金色だし基本酸味ばらまいてるからその辺りで」
聞かれた俺はチョイスの理由を答えた。
「まあいいわ、もらってあげる」
「ありがとな、作ってくるよ」
不遜ながらもアリエは承諾した。
俺はかき氷にレモン汁をかける。苦いのが苦手なアリエなら酸っぱいのもきっと苦手だ、砂糖を少量かけてからカットしたレモンを乗せて持っていく。
「おまちどおさま。レモンは後でかけた方がいいぞ」
「へえ、美味しそうじゃない」
アリエは口元を若干だけ緩めて褒めるてスプーンにかき氷を取る。




