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四百九十話 かき氷作りとすももとりんご
「なに食べようかなー。イチゴはーなんか普通ぽいしここは敢えてバナナかな」
「ブドウかー、いいんじゃない」
山崎と飯山が食べるかき氷を思案する。
「じゃあバナナかき氷ちょうだい」
「あたしはブドウのやつ」
「あいよ」
俺は注文を取り下がる。作るのはりんごとすももさんだ。慣れた手つき、ではないが手早く氷を砕きその間にジュースとフルーツを用意する。氷が皿に乗り終わったところでササッとジュースをかけてフルーツを乗せる。
「やっぱ姉妹って息合うなー、俺なんかと大違い」
「素晴らしいです!」
俺とシャロンは二人を褒めた。
「やだなー、褒めないでよー。照れるじゃない」
「ふん、別に大したことない」
あからさまににやけるすももさんと違いりんごは鼻を鳴らして少し口元を緩める程度だった。
「たく、素直じゃないなー」
「いいから持っていけ、遅くなると溶けるぞ」
俺がからかうとりんごはむっとしながらかき氷を差し出した。




