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四百八十九話 かき氷と新井
「いらっしゃい。お、来たか」
「かき氷出来たんだって?俺にも食わせろよ」
出迎えると新井が現れ早速かき氷を催促する。
「ほい、かき氷のメニュー表」
「お、色々出来たな………」
俺が見せると新井はその中を品定めする。
「やっぱここは、王道のイチゴだろ。頼むわ」
「かしこまりぃ」
俺は軽い調子で受け取るとイチゴのかき氷を作って持ってくる。
「おお、これぞ夏の風物詩だぜ。じゃ、いただきまーす」
新井はガッガとかき氷を口に入れていく。すると身体が凍った。そして頭を抱えた。
「いってぇ」
「一気に食いすぎだ」
俺は彼に注意した。
「てかかき氷だけじゃ足んねえな、いつものコーヒー寄越せよ」
「はいよ」
「やっほー」
「うす」
俺が注文を取って離れると山崎と飯山が現れた。
「かき氷出来てるんだってー?」
「お、色々あるじゃん」
二人も外に置いたかき氷を宣伝する看板とテーブルの専用メニュー表にそそられる。




