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四百八十七話 かき氷と一護じいさん
後日、材料を集めかき氷をメニューとして出すことになった。抹茶は庵々から融通してもらえるかと思ったが値段が高すぎてうちのようなお手軽さ優先の喫茶店には合わなかった。というわけでそれもいつもの問屋に仕入れることになった。
「へいあんちゃーん!かき氷出来たんだってえ?」
いつもイチゴのショートケーキを食べる一護じいさんがちゃらい調子で俺に言った。しかしこのじいさん、女子に絡み過ぎるせいで避けられて俺しか話す店員がいなくて虚しい人なのだ、あと話せるのは絹江さんぐらいか。
「できたっていうか作るようになったてところです」
「じゃあ、このイチゴのかき氷もらおうかの」
俺が応ずると一護じいさんはいつものケーキのかき氷版を頼んできた。
「へいただいま」
「へいそこのお嬢ちゃーん」
俺が離れると結局りんごに話しかけていた。大丈夫なのかこのじいさん。




